・日時 : 02/10/29 9:40〜16:40
・場所 : 阪急グランドビル26階 会議室
・参加者 : 約50名



■プログラム (敬称略)




   
時間
ゼネラル・セッション
9:40
オープニング
9:45
IBMにおけるライフサイエンスの取組みとHPC
日本IBM ライフサイエンス事業推進
梶谷 浩一
10:30
フラクタル研究と最新科学
米国IBM IBMフェロー
Dr. Benoit B. Mandelbrot (逐次通訳付き)
12:00
昼休み
Room A Room B
13:00

グリッドコンピューティングで変わるソリューションの世界
京都大学 小山田 耕二 助教授
Information based Medicine
米国IBM ライフサイエンス事業部
Dr. Kareem Saad (逐次通訳付き)
13:50
PCクラスターによるHPCの新しいチャレンジ
同志社大学 三木 光範 教授

14:55
ナノテクノロジーによるメディカルとメカニカルの統合
京都大学 小寺 秀俊 教授

IBM LINUXクラスターの最新情報
日本IBM 笠浪 潤

HPC/CAE in IBM
日本IBM 村田 憲保
15:45
CFDによるバイオテクノロジー分野の革命
東北大学 川野 聡恭 助教授
HPCユーザーのための
IBM POWER4製品最新動向

日本IBM 野村 宣生
16:35
クロージング

 

 


■講演内容

 ・「PCクラスターによるHPCの新しいチャレンジ」 三木先生
 
  講演概要は,次のようなものでした.

   ・PCクラスタとは
   ・PCクラスタの作り方
   ・世界と日本におけるPCクラスタの現状
   ・同志社大学のPCクラスタ
   ・PCクラスタの基本アーキテクチャ
   ・PCクラスタの性能を決める要因
   ・PCクラスタの用途
   ・PCクラスタのLinpack/Himeno-Bench性能
   ・PCクラスタの進化計算性能
   ・グリッドコンピュータとPCクラスタ
   ・PCクラスタの効果的活用法

   まず,近年PCクラスタが非常に注目を集めている背景や理由について触れ,
  PCクラスタの構築・管理システムの必要性から, 同志社大学のDCASTについての説明がありました.

   続いて,同志社大学のPCクラスタであるCambria,GregorそしてXeniaの構成とその特徴についての
  説明があり,今回XeniaにおいてLinpack性能で323.4GFlopsを達成し,現在Top500に挑戦中である
  ことを紹介されていました.

   さらに,PCクラスタの用途についてGAやSAなどの進化的計算手法の研究の紹介と,これらを用いた
  たんぱく質の立体構造予測などのアプリケーションについての説明がありました.  



■全体を通して

 今回のフォーラムは,大きく分けてHPCに関する最新の研究の紹介とIBMのHPCへの取り組みと製品紹介
 という2本立てで行われました.

 Mandelbro先生の講演では,「フラクタル研究と最新科学」という題目で発表されました.
 Mandelbro先生は,フラクタル理論の生みの親であり,78歳という高齢ながら今もなお現役で活躍されてお
 られます.講演は,フラクタルについて身近な例から分かりやすく説明されていました.

 また,小山田先生の講演では,Grid上でのアプリケーションの話を中心にされていました.
 その中で,科学者・技術者の分散環境での密なコラボレーションを行うVO(Virtual Organization)の可
 能性について触れ,GridがVOを可能にするとおっしゃっていました.
 この遠隔協調コラボレーションを促進するために,可視化システムやデータ伝送技術などさまざまな研究
 を統合したVizGridプロジェクトについて紹介されていました.

 さらに,小寺先生の人間の体の中に,センサーや投薬ユニットを埋め込んだインプランタブルホスピタルに
 向けたナノマシン研究や,川野先生の人工心臓に関する研究など,医学と工学を融合した新しい分野
 について最新の研究を紹介されていました.

 IBMの製品紹介では,BladeCenter HS20等のHPC関連の商品を中心に紹介が行われ,今後の動向な
 
どについて軽く説明がありました.IBMは Linuxに大変注目しており,今後の商品に積極的に取り入れる
 方向で検討していくことを発表していました.