「同志社大学大学院の香西です.これより知的人工物におけるシステム知能の水準に ついて,発表させていただきます.」
この言葉で発表は始まりました.私にとっては本当にはじめての対外的な発表でした が,にもかかわらず,発表自体は以外に緊張せずできました.照明が落とされた部屋 だったので,偉い先生方の顔があまり見えなかったのがよかったのかもしれません. それとも,新幹線の中で周りの迷惑顧みず練習したのが功を奏したのでしょうか.と にかく,滞ることなく順調に発表は進んでいきました.
「お時間も来ましたので,それでは次の方の発表に移りたいと思います.」
座長のこの言葉を聞き,席に戻ってぼっとしていると,いつの間にかこのセッション が終わっていました.三木先生に「M1にしてはうまく発表できていたよ」と言われ, 廣安先生に「うまいじゃん」と言われてはじめて,「ああ,ほんとに終わったんや」 と実感がわき,緊張せずにできてよかったと発表を思い返すことができました.
しかし,緊張しぃの私が,本当に緊張しなかったのかと言えば,そんなことはありま せん.それは会場に入場する前からすでにやってきていたのでした.

新大阪を9時頃の新幹線に乗り12時過ぎに東京に着きました.車内では何度となく, OHPを見ながら話す内容の確認.こうしゃべった方がいいのではないだろうか,この OHPまでを10分くらいでしゃべらなければ,などなどいろいろ考えながら落ち着く暇 もなく,時間が過ぎていきました.会場の早稲田大学で,昼御飯を食べて中庭のベン チでたばこを一服.とりあえず最後の確認をと思ってOHPを見るとおそってきまし た.思わず手がふるえそうになるくらいです.やばいなぁ,どないしよう,と思って いるときでした.ふと近くのベンチに目がやると,同じようにOHPに目をやっている 学生らしき人がいるではありませんか.これで一気に緊張感は薄れていきました. 「なんや,他にもおるやん」.えもいわれぬ緊張感は無くなり,よしやるぞという意 気込みが沸々とわいてきました.そこからはまったく普通でした.廣安先生と少し話 をし,応援の電話を掛けてきてくれた研究室のメンバとしゃべったあと,もうなんの 不安感もなく,発表会場となる教室に行き,前の発表者の発表を聞くことができまし た.

私にとって,この学会発表は非常によい経験になりました.自分の研究室にいただけ では味わえない緊張感やそのあとの充実感,また他の研究者の動向などが味わえてよ かったと思います.発表するまでは,発表したいという気持ちと,発表したくないと 言う気持ちで揺れ動いていましたが,発表が終わると,もう一度発表してもいいなぁ と言う気持ちが生まれました.いろいろありましたが,次回にまた機会があれば発表 したいと思っています.


文責:香西