学会参加報告書


報告者氏名 片浦 哲平
学会名 並列/分散/協調処理に関する『湯布院』サマーワークショップ(SWoPP 湯布院2002)
場所 湯布院ハイツ(大分県大分郡湯布院町)
日程 2002/08/21 - 2002/08/23
発表日 2002/08/21
発表論文 Grid 環境における評価部に個体データベースを用いた遺伝的アルゴリズムの提案
著者 廣安知之,三木光範,片浦哲平,谷村勇輔
原稿 PDF(148KB)    Power point(9.41MB)

■研究集会の詳細

今回参加したのは情報処理学会1) の並列/分散/協調処理に関する『湯布院』サマーワークショップ(SWoPP湯布院2002) である.平成14 年8 月21 日〜23 日の3日間,湯布院ハイツ2) において開催された.情報処理学会は,昭和35 年に設立され,発展する情報処理分野での指導的役割を果たすために活動を行っている.

■発表の概要

今回は「Grid 環境における評価部に個体データベースを用いた遺伝的アルゴリズムの提案」について発表を行った.講演論文をhttp://mikilab.doshisha.ac.jp/~tecchan/monthly/swopp/swopp_kataura.pdf で公開している.本研究ではGrid 計算環境を想定した最適化システムの提案を行っている.提案するシステムは最適化エンジン,計算サーバ,データベースサーバから構成されている.本研究では最適化計算部に遺伝的アルゴリズムを適用したシステムを構築し,数値計算例を通じてその有効性を検討している.

■質疑応答

本発表に対して,以下のような質問,意見があった.

1
Q
データベースの検索にはどの程度の時間を要するのか?(東工大 相田)
A
本発表における実験結果では,全実行時間の0.1%程度の結果となった.
2
Q
提案システムで利用するデータベースはどの程度の規模の問題を想定しているのか?(阪大 伊達)
A
規模は現段階では想定していないが,どのような規模の問題にも対応できるようにしていきたい.また,実装可能な規模を判定するためにも,今後の研究として,データベースの大規模化して実験を行うことは必要不可欠だと思っている.
3
Q
Optimization Engine が待機状態になるのを防ぐために,すべての個体を近似しなくてもよいのではないか?例えば,各世代の評価個体の前半は評価を行い,後半は近似を行うようにすれば,さらに効率のよい探索が行えると思うが…(産総研 中田)
A
その通りである.提案システムの実装を今後も検討していきたい.
(補足)発表時には上記の解答だったが,提案システムでは,個体は1個体ずつ検索し,評価値を得るのではなく,一度に全ての個体を送信して処理を行うので,単純にそのような仕組み作るのは難しいと思われる.
4
Q
実際に物理実験のデータとシミュレーションの結果を利用できるとあるが,どういうことか?(産総研 ?)
A
物理実験の結果を格納することで,シミュレーション時の検索で物理実験の結果も考慮に入れられるようにする.物理実験とシミュレーション時に似たような結果があった場合には物理実験の結果を優先的に反映させる.
5
Q
One Max問題では規模が小さく計算時間はほとんどかからないと思うがどうなっているのか?(産総研 ?)
A
評価計算時間の大きな問題とするために,1回の評価計算に対して100000〜1000000回のループ計算を行っている.
6
Q
具体的に,GAの場合にはデータベースには何が格納されるのか?(阪大 秋山)
A
GAでは個体を遺伝子で表現する.遺伝子は0,1のビットで表現される.データベースにはこの個体を表現するビットパターンを格納し,その個体に対応する評価値,GAでいう適合度を対応づけて格納する.
7
Q
重複計算が起こらないような最適化手法の場合にはどういった処理を行うのか?(東工大 松岡)
A
そのような最適化手法の場合にはデータベース,近似は共に利用しない.
8
Q
計算結果がテラバイト級の最適化手法では,データベースの利用法を検討する必要があるのでは?(東工大 松岡)
A
その通りである.データベースの利用法は最適化手法によって個々に変えなければならないと思う.同様に,Analisys Serverでの計算結果が1つではないような問題の場合にもデータベースに格納するデータについて検討しなければならないと思われる.
9
Q
基礎となるデータが不十分なので,考察が行いにくい.議論が行いやすいようにもっと基礎事項について提案システムがよいという根拠を用意してほしかった.(東工大 松岡)
A
準備不足だった.さっそく検討したい.

■感想

並列処理に関する専門家の集まる学会とあって非常に深い議論が活発に行われることに驚いた.そのような環境に自分を置くことができ,さらに自分を高めるよいきっかけとなった.また,同時に自分の研究に対する意識の甘さ,技術力,知識未熟さも痛感できた.



発表風景