学会参加報告書


報告者氏名 下坂 久司
学会名 日本機械学会 (JSME)
研究会名 第5回最適化シンポジウム2002(OPTIS2002)
会場 京都大学吉田キャンパス物理系校舎
場所 京都府京都市
日程 2002/10/12〜2002/10/13
発表日 2002/10/12
題目 NetSolveを用いたトラス構造物の最適化計算
著者 廣安知之,三木光範,○下坂久司,佐野正樹,谷村勇輔,三村泰成,吉村忍,Jack Dongarra
収録 日本機械学会 第5回最適化シンポジウム講演論文集 No.02-03 (2002), pp.141-146

研究集会の詳細

今回参加したのは日本機械学会(JSME)第5回最適化シンポジウムです. 平成14年10月12日〜13日の2日間,京都大学(京都府京都市)において開催されました.

日本機械学会は,機械及び機械システムとその関連分野に携わっている約43,000名の技術者集団で,明治30年(1897)に創立され,専門家集団として社会貢献する機関です. 最適化シンポジウム は,設計工学・システム部門(幹事部門),機械力学・計測制御部門,計算力学部門,バイオエンジニアリング部門の合同企画です. 1994年より2年おきに開催されているシンポジウムです. この分野の研究者が一堂に会し,設計最適化にとって興味深い研究を発表し,深く議論するという理念に基づき,この分野の研究の質を高め,世界における先導的な研究を生み出す場を提供することを目的としています.

発表の概要

セッションについて

私の発表したセッションは,3件の発表からなる,構造物の解析及び最適化手法に関するセッションでした.その中で,Gridにおける最適化システムの提案を行った私の発表は,セッションの内容的には少し異なったものでしたが,近年注目されているGridに関する内容であったためか,質問も多く活発な議論がなされました.

発表について

今回の私の発表のタイトルは「NetSolveを用いたトラス構造物の最適化計算」ですが,実際に発表した内容は,「Girdにおける最適化計算システムの提案」という内容で発表を行いました. 近年,Gridが非常に注目されており,また膨大な計算量を必要とする最適化計算を,Gridの資源を利用して行うことが望まれています.そのため本発表では,Grid RPCと呼ばれるGirdのミドルウェアを使用し,最適化計算のためのGridのサービス(API)を提案しています.このシステムは,エンドユーザによっては,非常にユーザビリティの高いシステムであり,また開発者にとっては,お互いの協調作業を促進させるというメリットを有しています.提案するシステムを実際にNeSolve,遺伝的アルゴリズム,有限要素法を用いたトラス構造解析を用い実装し,数値実験を行った結果を示しています.

質疑応答

本発表に対して,会場から3件の質問がありました.

1 Q ユーザは解析処理の並列化を考慮するのか.
A ユーザが解析処理の並列化を意識する必要はない.
2 Q ユーザがOptimizerの設定やプログラムを変更することはできるか.
A エンドユーザは,開発者が用意する変更可能なパラメータのみを入力ファイルによって変更することができる.よって,プログラムを変更することはできない.ただし,開発者としてこの提案システムに参加することで,使用したいOptimizerなどをシステムに組み込み,利用することは可能である.
3 Q 今回の発表の実験はGrid環境ではなく,Cluster環境で実験を行っているが,実際にGridでやる場合,結果が変わるのではないか.
A 今回の実験の主旨として,NetSolveのオーバヘッドを見積り,並列化による効率を定式化し検証するという目的があった.今回の実験で,この目的は達成されたので,次にGridにおいてネットワーク遅延などがある場合についても,同様に定式化し検証したいと考えている.Gridにおいては,ネットワーク遅延などがあり,高速化には当然今回の結果よりも長い解析時間を有する必要があるが,大規模な構造物の解析などにおいては,十分に解析時間が長いため,それほど問題ではないと考えている.

感 想

3件の質問のうち,システムの詳細な内容に関するものではなく,ユーザとのインターフェース部分に関する質問が多かったことが非常に印象的でした.エンドユーザがシステムを利用するためにしなくてはいけないこと,またエンドユーザによって可能もしくは不可能な処理を明確に定義していく必要があると思いました.

謝 辞

今回の学会参加に向けて指導していただいた,三木・廣安両先生に感謝します. ご助言を頂いた本研究室の学生に感謝します. また,参加に際しては三木先生より補助を受けましたことを感謝します.