学会参加報告書


報告者氏名 佐野 正樹
学会名 日本機械学会 (JSME)
研究会名 第15回計算力学講演会
会場 鹿児島大学 工学部
場所 鹿児島県鹿児島市
日程 2002/11/2〜2002/11/4
発表日 2002/11/3
題目 並列分散遺伝的アルゴリズムによるゴルフボールの回転角検出
著者 ○佐野正樹,廣安知之,三木光範,角田昌也(住友ゴム),植田勝彦,大貫正秀
原稿 [ PDF ] [ PPT ]
収録 日本機械学会 第15回計算力学講演会 講演論文集(2002), No.02-02, pp.51-52

研究集会の詳細

今回参加したのは日本機械学会第15回計算力学講演会です. 平成14年11月2日〜4日の3日間,鹿児島大学工学部(鹿児島県鹿児島市)において開催されました.

計算力学講演会は,日本機械学会(JSME)の計算力学部門(CMD)の企画であり,計算力学のアルゴリズムやその応用・並列化などが主なテーマとなっています.

発表の概要

セッションについて

私が講演発表を行ったセッションは,「ハイパフォーマンス・コンピューティング」のセッションです. 他の講演発表としては,東京大学の三村さんによる「広域分散型遺伝的アルゴリズムを用いた最適設計」などがありました. また,本研究室の卒業生である小掠真貴さんも,在学時の研究「遺伝的交叉を用いた並列シミュレーテッドアニーリング」について,本セッションにて発表を行いました.

発表について

今回は,「並列分散遺伝的アルゴリズムによるゴルフボールの回転角検出」について発表を行いました. 本研究は,住友ゴム工業株式会社と知的システムデザイン研究室との共同研究として行われました. 提案手法は,時間間隔をあけて2点から撮影した2つのゴルフボールの画像から,2点間の回転角度を同定するものです. ボールには,あらかじめ複数の点(スポット)を描画しておきます. スポットの配置パターンに対し,並列分散遺伝的アルゴリズム(Parallel Distributed Genetic Algorithm : PDGA)によるパターンマッチングを行います. 提案手法では,ボールの輪郭を利用しないので,不明瞭な輪郭の画像であっても高い測定精度が期待できます. 回転を精度良く測定することにより,ゴルファーの技術の分析や,良く飛ぶボールやゴルフクラブのより効率的な開発につながると考えられます.

質疑応答

本発表に対して,会場から4件の質問がありました.

1 Q 回転角度の誤差は何度以内におさまればよいのか?
A 目標値は 1.0 °未満.
【住友ゴム 植田様】誤差が 1.0°を超えると,飛距離が3ヤードほど異なる.これを考慮すると,1.0°未満におさえないといけない.
2 Q 染色体には,ビットストリングを用いているのか?用いているとすると,精度は十分か?
A ビットストリングによる伝統的なアルゴリズムを使用している.1設計変数あたり10ビットでコーディングしているので,360°/ 1024 の精度があり,十分と思われる.
3 Q 撮影には,どのような機器が必要か?
A 機器に関しては,ボール表面のスポット位置が特定できるような写真が撮れればよい.普通のデジタルカメラなどでもよいと思われる.
【住友ゴム 植田様】現在は,アナログカメラでやっている.
4 Q 打つときにボールは変形するが,その点はどうか?
A 本アルゴリズムでは考慮していない.撮影した時点でボールの変形が大きいと,スポットの座標が変化してしまうので,正しくパターンマッチングできないと予測される.そのような状況が生じた場合には,別途対策を講じる必要がある.
【住友ゴム 植田様】想定している撮影環境では,撮影した時点ではすでにボールの変形はほとんどないので,この点は心配ない.

感 想

計算力学の分野でも,計算環境としての Grid や並列処理への関心がとても強くなってきているという印象を受けました.

私の発表したセッションは人気が高かったようで,参加者が多くて席がほぼ埋まるほどでした.共著者である住友ゴムの植田さんも参加されており,有意義な議論ができてよかったです.

謝 辞

今回の学会参加に向けて指導していただいた,三木・廣安両先生に感謝します. ご助言を頂いた本研究室の学生に感謝します. また,参加に際しては三木先生より補助を受けましたことを感謝します.