学会参加報告書


報告者氏名 佐野 正樹
学会名 情報処理学会(IPSJ)
研究会名 第9回MPSシンポジウム
会場 同志社大学 京田辺キャンパス
場所 京都府京田辺市
日程 2003/ 1/16〜2003/ 1/17
発表日 2003/1/17
題目 分散確率モデル遺伝的アルゴリズム
著者 ○佐野 正樹,廣安 知之,三木 光範,下坂 久司,筒井 茂義(阪南大学)
原稿 [ PDF ] [ PPT ]
収録 情報処理学会シンポジウムシリーズ MPSシンポジウム論文集, Vol. 2003, No. 2, pp. 107 - 114, 2003

研究集会の詳細

今回参加したのは情報処理学会(IPSJ)第9回MPSシンポジウムです. 平成15年1月16日〜17日の2日間,同志社大学 京田辺キャンパス(京都府京田辺市)において開催されました.

情報処理学会は,コンピュータとコミュニケーションを中心とした情報処理に関する学術,技術の進歩発展と普及啓蒙を図り,会員相互間および関連学協会との連絡研修の場となり,学術,文化,産業の発展に寄与することを目的として,1960年4月に設立されました.

第9回MPSシンポジウムは,情報処理学会の数理モデル化と問題解決(MPS)研究会の企画であり,日本での,進化的計算に関する統一的な論議ができる場です.進化的計算に関する先進的な研究報告・適用事例をもとに,意見交換や討論が行われます.

ポスターセッションの様子 1(1階のエントランスホールで行われました)
ポスターセッションの様子 1
ポスターセッションの様子 2(当日はそれほど寒くなくてよかったです)
ポスターセッションの様子 2
4年生の澤田も発表しました
ポスターセッションの様子
Deb先生による特別講演(多目的最適化で有名です)
Deb先生による特別講演
小林先生による基調講演(日本の代表的な進化計算研究者です)
小林先生による基調講演

発表の概要

セッションについて

私が講演発表を行ったセッションは,「EDA,PMGA,実数値GA」のセッションです. 他の講演発表としては,阪南大学の筒井先生による「順序問題における確率モデル遺伝的アルゴリズムとACOアルゴリズムについて」がありました.筒井先生は,私の講演発表の共著者でもあります.

発表について

今回は,「分散確率モデル遺伝的アルゴリズム」について発表を行いました. 有望な個体の確率分布に応じて子個体を生成するアルゴリズムを確率モデルGA(Probabilistic Model-Building GA : PMBGA)といいます. 本発表では,新しい確率モデル遺伝的アルゴリズムである分散確率モデル遺伝的アルゴリズム(Distributed PMBGA : DPMBGA)を提案しています.DPMBGA では,主成分分析(PCA)により,設計変数の相関を考慮して子個体を生成します.また,島モデルの採用により,多様性の維持を図っています.テスト関数を使用した数値実験によって,主成分分析の効果の検討,既存の実数値GAとの比較,および,最適解が探索領域の端に位置する問題についての検討を行っています.

修士最後の学会発表となりました(ちょっと暗いですが)
私の発表

質疑応答

本発表に対して,会場から4件の質問がありました.

1 Q 主成分分析(PCA)を用いると性能が下がることがあるが,これはなぜか?
A PCA の対象には,アーカイブを用いている.PCA が有効に機能するためには,アーカイブが探索領域の特性を正確に反映している必要がある.Rastrigin 関数 のような多峰性の関数においては,アーカイブ内の個体が局所解に陥ってしまい,アーカイブの更新が滞ることが実験によってわかっている.このため,Rastrigin 関数では,アーカイブを用いて PCA を実行すると探索性能が低下してしまう.
2 Q 主成分は,どこまで使用するのか?
A 全て使用する.30変数(次元)なら,第30主成分まで使用する.
3 Q Boundary Extension by Mirroring (BEM) を行わないほうが性能が良いのはなぜか?
A 子個体発生における,正規乱数の分散の増幅パラメータや,制約条件外の個体の引き戻し法が関係していると推測される.
4 Q 512 個体で32サブ母集団の場合,1サブ母集団につき 16個体となる.これは,PCA を実行するには少なすぎないか?
A 提案手法では,サブ母集団そのものではなく,最良個体アーカイブを PCA の対象としている.アーカイブには任意の個体数を使用できるので,その点は問題ない.

感 想

特に,本シンポジウムでは,数多くの有名な研究者や研究室からの講演発表がありました. 多目的GA研究で著名な Kalyanmoy Deb 氏(Indian Institute Of Technology Kanpur)による特別講演や,日本の進化計算の権威である小林重信氏(東京工業大学)の基調講演を拝聴したことは,貴重な経験であったと思います.

謝 辞

今回の学会参加に向けて指導していただいた,三木・廣安両先生に感謝します. ご助言を頂いた本研究室の学生に感謝します.