学会参加報告書


報告者氏名 上浦 二郎
学会名 計測自動制御学会(SICE)
研究会名 第3回 システムインテグレーション部門講演会 (SI2002)
会場 神戸市産業振興センター
場所 兵庫県神戸市
日程 2002/12/19〜2002/12/21
発表日 2002/12/21
題目 多目的最適化のための新しい分散遺伝的アルゴリズムの提案と評価
著者 ○上浦二郎,廣安知之,三木光範
原稿 [ PDF ] [ PPT ]
収録 計測自動制御学会 第3回システムインテグレーション部門講演会(SI2002)講演論文集(III), pp.283-284

研究集会の詳細

今回参加したのは計測自動制御学会(SICE)システムインテグレーション部門が主催する第3回 システムインテグレーション部門講演会(SI2002)です. 平成14年12月19日〜21日の3日間,神戸市産業振興センター(兵庫県神戸市)において開催されました.

システムインテグレーション(SI)部門は,人類が直面する福祉環境などの複雑化するシステムの諸問題を解決するため,人工物・人間・社会に関するシステムの俯瞰的インテグレーションを可能とする科学的・工学的技術を提供することを目的として発足された部門です.

発表の概要

セッションについて

私が講演発表を行ったセッションは,「進化的計算の最近の展開」のセッションです. 他の講演発表として,

がありました.

発表について

概要は以下の通りです.

分散遺伝的アルゴリズム(DGA)では,母集団は複数のサブ母集団からなり, それぞれのサブ母集団では独立して遺伝的操作が行われるGAの並列化モデルの1つである. DGAは,単目的最適化においては母集団を分割しないGAと比較して良好な性能を示す一方で, 多目的最適化においては母集団を分割しないGAに劣る. 本研究では,多目的最適化に適した複数のメカニズムを備えた新しいDGAを提案し,その性能の評価を行う.

質疑応答

本発表に対して,会場から3件の質問がありました.

1 Q 近傍移住をしているけれども,目的関数空間で近い個体どうししか交叉しないのはいいのか? とくにナップサック問題は目的関数空間での距離と染色体間の距離が関係ないような気がするのだが.
A 近傍移住をしない場合には性能が落ちたので,今回実験した問題においては目的関数空間で近い個体どうしを交叉させるのはよいようである.
2 Q 母集団を分けずに複数の重みを使用する手法と比べてどうなのか?
A その手法とは比較していないので正確なことはいえないが, 非劣解アーカイブを分割母集団ごとにもたせるのではなく,全体で一つの非劣解アーカイブを用いて実験を行ったところ, 非劣解に局所収束域を持つ問題に対して性能が下がった. 同じことが,母集団を分けずに複数の重みを使用する手法にも言えると思われる.
2 Q 計算時間は他の手法と比べてどうか?
A 従来手法よりも計算には長い時間がかかる.しかしながら,本手法は各分割母集団を並列処理できるので問題はないかと.

感 想

発表当日の神戸ではルミナリエが行われていました. 私は関西の大学に通っていながら一度も行ったことがなかったので,応援に来てくれた人たちと行ってみることにしました.



クリスマス前の週末ということで雨が降っていたにもかかわらず大勢の人人人. なんで男ばっかりでスーツ来てこんなことしてるんやろうと思いながら,ついてみたら少しはしゃいでしまいました.

謝 辞

今回の学会参加に向けて指導していただいた,三木・廣安両先生に感謝します. ご助言を頂いた本研究室の学生に感謝します. また,参加に際しては三木先生より補助を受けましたことを感謝します.