2003年4月の報告

4月は予定していたポルトガルへいけず残念なことになりました.また,5月の東京へもいけないことになりがっかりです.

そして,あっという間に時がすぎてしまい,残り3ヶ月となりました.

あせる気持ちでいっぱいです.

昨年の4月22日にこちらに来たので丸1年が経過しました.

4月はアメリカでの行事はイースターです.近所でも,イースターに関連したお祭りやらイベントがありました.私はイースター自体には関係ないのですが,大学は休みだったりしました.ノックスビルはキリスト教の方が多いのですが,どうされていたのかはちょっとつかみきれません.

4月のノックスビルはだんだんと春から初夏になってきます.寒い日もそんなには多くなくなりました.そして,夏が近づくにしたがって多くなるのが雷雨です.

雷雨がくると夏が来ているなあという感じがします.

これもこちらに来てから1年がたったからでしょう.

UTではフットボールが大変盛り上がるわけですが,もうひとつ強いのが女子バスケットです.今年も,大学バスケット選手権で,決勝まで勝ち進みました.

残念ながらチャンピョンになることはできませんでしたが,やはり盛り上がります.

強いスポーツチームのある大学は愛校心をわかせたりしていいですね.

さて,4月のメインの雑用は「情報処理学会論文誌:数理モデル化と応用」

進化的計算特集号の仕事でした.合計で20件弱の応募があり,ほとんどの査読者を選定し,著者らと連絡をとるなどの仕事をしました.その後,いくつかの論文に対しては別の方に,編集委員をお願いして,仕事を分担していただきましたが,これは大変です.

5月現在,査読結果を集めている最中でこれまた大変.

Jack Dongarraの招聘作業にいくらか時間をついやしましたが,結局 ほとんどが無駄になってちょっと残念でした.

超並列計算研究会が東京新宿で開催されました.

これについては私が企画しましたが,結局何人くらい参加していただいたのやら.

成功していたら良いのですが.

4月の頭にあった,研究室配属では,例年並の研究室の人気でホット胸をなでおろしました.厳しいけれど,自由な雰囲気な研究室にしたいのですが,どうなることやら.

新4回生と顔をあわせていないし,新M1とは交流を深めていないので,だんだんとちぐはぐなところがでてきました.帰国まで本当にご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします.

学生の何人かは未踏に応募したようで,春休みそっちのけで作業していました.

OBも含めた大プロジェクトです.

休み中も作業したり,OBとともに盛り上がったりで,なかなか,良い雰囲気になってきたのではと思っています.これが続いていくことを願っています.

このように私の多くの時間は実質上は日本の仕事にさかれているわけです.このようなことができるのもネットワークが発達したお陰ですね.

よかったのか悪かったのかわからないのですが.

こちらでの仕事としては,まず,NetSolveの新しいバージョンが近々でるのですが,それのデモの部分を担当することになり,作業しています.

ソフトウエアが巨大なので,テストがなかなか大変で,時間がとられます.一つおかしなところが出ると,果たしてそれがどこに起因しているのかを調査するのが大変なのと,訂正した箇所が,様々なアーキテクチャで正常に動作するかどうかを確認するのが大変なのです.

5月頭現在,すべてのバグ出しが行われていません.そしてまだまだ続きます.

LAPACKはJackの開発した数値ライブラリです.SCALAPackはその並列バージョン.

LFCはクラスタ上で利用しやすいようにAPIを持たせたものです.

SCALAPACKではもちろん,使用するCPUなどを設定してから使い始めますが,ネットワークの状態やCPUの状態が変化する場合,どのCPUを使えばよいのか,使わないほうがよいのかはわかりません.

なのでスケジューラの作成が必要となるわけです.

このスケジューラにGAを利用するプロジェクトがようやく始まりました.僕からすると,最適化というのは,ごく当然な別にたいしたことではないのですが,もしかしたら,世の中には単純に理解できない人がいっぱいいるのではないかと思わせるほど,話を理解してもらうのに苦労しました.最適化に関する認識がちょっと変わりました.

このスケジューラの話がうまくいけばようやく並列処理らしい研究ができることになります.

投稿論文他:

5月の月例発表会のレジュメにざっとですがすべて目を通しました.

GECCOのワークショップ用のペーパーを作成し,提出しました.

GECCOの発表用,カメラレディ原稿を作成し,提出しました.

情報処理学会TOMの論文を作成し,投稿しました.

4月は以上です.