生命医科学フォーラム


生命医科学フォーラムが開催されました。
多くの学生、父兄のみなさんに参加してもらいました。
廣安が司会を行い2件の発表がありました。
講演1:「アルツハイマー病研究を変えた分岐点〜タンパク質不溶性の発見から学ぶべき事」 井原 康夫 教授
講演2:「医療分野における研究開発と商品化」 横内 久猛 教授
裏話をすると、いつもこういうイベントを開催すると、いろんなことで悩みながら実行しています。
目標や成果をどう考えるのか非常に難しいからです。
また、ひとつ勉強になりました。

☆生命医科学ジョイントフォーラム報告
 2010年12月11日(土)午後、夢告館にて生命医科学ジョイントフォーラムを開催しました。今回のフォーラムは医生命システム学科、医情報学科および生命医科学部教員父母連絡会との共催で「医療の可能を広げる生命医科学の挑戦—医療を変える研究・開発・商品化—」と題して学部長の挨拶、2学科の紹介、そして2件の講演を行いました。今回のフォーラムで講演いただいた2人の講師は、いずれもそれぞれの分野において日本の基礎医学研究、医療機器開発を支えるトップランナーです。一人目の井原 康夫先生は生命医科学部・医生命システム学科・神経病理学研究室の教授であり、世界のアルツハイマー病研究のパイオニアです。原因不明といわれた認知症、アルツハイマー病。その脳に蓄積するタンパク質の解析を中心にアルツハイマー病発症メカニズムの解明、早期診断法の開発、治療法の開発をめざしております。今回はアルツハイマー病研究の創成期に先生ご自身で取り組まれた研究、とくに“新たな発見”とはどのように訪れるのか?についてお話いただきました。二人目の講師は、横内 久猛先生です。生命医科学部・医情報学科・医療情報システム研究室の教授であり、長年、企業において医療機器の研究・開発・商品化に携わってこられました。今後発展が期待される医療分野にておいて研究だけでなく、開発と商品化を行うことが重要であると考えられますが、どのような問題点、どのようなことが必要なのかをお聞きしました。
今回のフォーラムでは、2つの狙いがありました。一つは、分野の違う学科が協力して一つのイベントを行うということです。今回のフォーラムでは各学科で個別にイベントを行うことを決定しましたが、医情報学科、医生命システム学科は協力して行うこととしました。生命医科学部では、分野の違う融合した教育・研究を行っていることが一つの特徴となっています。これらが融合することで、さらに大きなイノベーションを生み出す可能性があります。その基盤を作るためには教員も学生も時々は時間を共有する機会が必要ですが、本フォーラムをその一つの機会といたしました。
もう一つの狙いは、学生の心に将来のくさびを打ちたかったというものです。学生はこれから同志社大学で教育を受け、社会に出て行くわけですが、予想もつかない様々な問題に対応していかなければなりません。グローバルな時代を迎え、その能力はますます重要になってきています。現在、予想も理解もできないような問題に対応する力がつくのかという問題がありますが、実はいくつかの方法があるのです。それは、将来正しい結果を導く道を正しく選択する直感力を養うことと新しい状態において楽しみながら問題を解決できる力を養うという方法です。そのため、学生にはわかりやすい・将来の見通しがわかりやすい・近々に利用可能な知識や技術を教えることも必要ですが、少しわかりにくい・どうなるのかわからないけれどもなんだかおもしろそう・やってみたいという気持ちの種を作る必要があるのです。これは、将来に対する心へのくさびであるとも言えます。今回の講師のお話は多少、難しくわかりにくいところもあったかもしれません。しかしながら、なんだかすごいことをやってそう・わからないけど本人は楽しくやってきたのだなということがわかったと思います。井原先生からは、研究の発見に興奮して2度、寝られなくなったという話しがありました。横内先生からは商品化するための難しさが語られました。詳細については、今は理解できなかったかもしれません。しかしながら、何らかの形で学生の心に届いたものがあったのではないかと思います。
 今後とも魅力的なフォーラムを企画していきたいと思っております。ご支援とご参加ください。よろしくお願いいたします。