お父さんみたいになりたいか

本当は学生の人生なんて,彼らに責任があって自分で切り開いていくべき,行かないといけないのだと思う.
しかしながら,最近,どうもお父さんのような気持ちになりがち.子供の将来が心配で心配でどうしようもない.
そんな風では将来の荒波にもまれたときにだめになっちゃうのではないかと思うのだ.
一方,子供はお父さんのようになりたいと思うだろうか.
お父さんの仕事にはだーれも興味がないわけだから,息子たちは僕の仕事がどんなものなのかわからないだろう.
そうすると見た目が大事なのではないかと思う.
ばりばり仕事をしているように見えて,すらっとしていて,金持ちなんじゃないかと思わせるのが重要なのではないか.
ちょっとした楽しい話をはさみながらきちんと授業をこなし,論文をたとえ書かなくてもスマートに必要な研究をしているように見せかけて,筋トレを欠かさず,ランボロギーニーとか乗り回して,行きつけの御茶屋さんなんかあったら理想的ではなかろうか.
でも実際には人生と体とを交換して仕事をこなし,見た目にも実際にもまったくスマートではない.これでは,とうていお父さんのようにはなりたくないだろう.
なんでこんなことを思っているのかといえば,昨日,ある学会であるイベントが開催されてそれは盛り上がったと思ったのだが,いっしょに参加していた学生には,ひきまくりと言われた.
昨日のイベントでは絶対に研究者にはなりたくないと言われた.
ぶくぶくしてちょっとくたびれた学生からみたらおっさんがわけのわからん内輪話で盛り上がっている.何が面白くて生きているのかまったくわからんオタク集団.
まさにその通り.
どの学会も学生と会社からのメンバーがどんどん去られている.
ある先生は学会がどうして会社に擦り寄らないといけないのかと言っていた.
僕は僕の学生がひいているのがわかっていなかった.
こんなんじゃだめだ.僕らが手にしているもの,すばらしいことをきちんと見せないとだめなのだ.
どうすればいいのやら.