ヒトが人工物だと判断されるとき

ChatGPTの普及に伴い、その技術の高さに驚嘆し、世間が大いに話題にしています。

GPTはAIによるサービスであり人工物ですが、人工物がAIかどうかを判断することは容易ではありません。
AIの定義がまだ確立されていない現状では、その判定が難しいことは当然です。
しかし、定義ができたとしても、人工物をAIと判断することは依然として困難です。

チューリングテストは、AIが人間と同等の知性を持っているかどうかを評価する手法の一つです。このテストは、アラン・チューリングによって提案されました。
彼は1950年の論文「Computing Machinery and Intelligence」でこの試験を紹介しています。
チューリングテストは通常、以下の手順で実施されます。
1. 人間の評価者が質問を投げかける。
2. AIと人間の回答者がその質問に対して回答する。
3. 評価者は回答を検討し、どちらがAIであるかを判断する。
評価者が両者の区別がつかない場合、つまりAIの回答が人間の回答と同程度の知性を示すと判断された場合、そのAIはチューリングテストに合格したとされます。

2012年から、私は大学一年生の授業でAI技術の概要について2コマ話しています。その際、学生に伝えたいと思ったことの一つは、次のような事実でした。
つまり、AI技術の進展に伴い、人間がAIあるいはそれ以下と判断されてしまうことがあるということです。
2018年に出版された「良心学入門」でも、私はこの点を主張しました。
AIは人工物であり、このような状況下では、人間が人工物以下と判断されかねません。
これは、人間とは何か、人間の尊厳とは何かという問題を揺るがすことになります。
そのため、私たちは自分自身を精進し、常にバージョンアップしていく努力が求められます。
そして、ChatGPTの登場が、私が懸念していた状況を具現化していることを示唆していると考えています。

(この文章はchat GPT4.0の手助けを借りています)