T君のまとめてくれた日本における主要なグリッドプロジェクト.
もったいないので,著作権を完全に無視して,ここに公表.
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プロジェクト名:ApGrid(Asia-Pacific Grid)
概要:アジア・太平洋地域のHPCN(High Performance Computing and Networking)の研究者が集い,グリッド関連の研究について交流を行う場を提供する.GGFや他のグリッドコミュニティとのパイプ役もこなす.また,グリッド技術を開発し,その成果を試すための環境として,各種リソースを提供する.日本では,産業総合技術研究所のグリッド研究センターが中心となり,活動を行っている.
特徴:
– あくまで交流の場
– いかなる fund も受けていない
– PRAGMA(Pacific Rim Applications and Grid Middleware)との連携
ApGrid はミドルウェアに近い部分を主に担当する
主な組織:日本では産総研,東工大.アジア各国の計算機センター.USA ではインディアナ大とSDSC.
期間:-
参照:http://www.apgrid.org/
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プロジェクト名:OBIGrid(Open Bioinformatics Grid)
概要:バイオインフォマティクスの分野においては,膨大な遺伝子データベースやホモロジ計算,分子シミュレーションなどのソフトウェアが不可欠であり,これらを入手して大規模計算を行う必要がある.そこでOBIGridでは,各研究機関が所有する計算資源や遺伝子関連のデータベース,アプリケーションソフトウェアを統合することで,誰もが最小限の計算資源で最先端のバイオインフォマティクス研究を行うことができるような環境の構築を目指している.
特徴:
– 国内における実際的なグリッド網の構築
– バイオ関連グリッドウェアの開発
主な組織:理化学研究所ゲノム科学総合研究センター,北陸先端大学が中心.企業も多数参加.
期間:?
参照:http://www.obigrid.org/
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プロジェクト名:Super SINET グリッド研究部会
概要:全国共同利用大型計算機センター群が中心となり,単一のスーパーコンピュータでは達成できないような演算性能の実現,各社マシンのアーキテクチャに適した計算を分担することによる効率向上,処理負荷の分散によるレスポンスとサービスの向上,大型実験設備で得られた大量データの高速処理,地理的に離れた研究者が,計算資源・大量データを共有することによる遠隔協力等を実現するグリッドコンピューティングの構築を推進する.
特徴:
– 日本国内の主要7計算機センターが中心となる
– 単一のスーパーコンピュータ以上の性能を出すグリッドを構築する
主な組織:
– 北海道大学 大型計算機センター
– 東北大学 情報シナジーセンター
– 東京大学 情報基盤センター
– 名古屋大学 大型計算機センター
– 京都大学 大型計算機センター
– 大阪大学 サイバーメディアセンター
– 九州大学 情報基盤センター
– (東京工業大学 学術国際情報センター)
期間:?
参照:http://www.sinet.ad.jp/s_sinet/kenkyubukai.html#3
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プロジェクト名:BioGrid
概要:スーパーコンピュータネットワーク上に分散配置された観測装置,巨大で多様なデータベースを,統合的かつ安全に連携処理可能なデータグリッド技術を開発するとともに,それぞれのデータベース間での真に有機的な連携利用,極めて高速な計算資源を必要とするデータ処理を橋渡しするコンピューティンググリッド技術を開発することを目的とする.実証実験は高度な計算機資源とネットワーク資源が集約されているサイバーメディアセンターを核として,高速ネットワークを通じて連携する周辺国立研究機関や民間企業・研究機関等で行い,バイオインフォマティックス分野におけるペタグリッド技術のビジネス展開と人材育成を行う.これにより,生化学,情報科学,計算化学,物理学,医学,薬学を融合したin silico創薬分野への新展開を担うだけでなく,同様な技術を必要とする他分野でのスパコンネットにおける基盤技術の確立を目指す.
特徴:
– グリッド基盤技術
– コンピューティンググリッド技術
– データグリッド技術
– データのオンライン解析技術
– 実証技術とビジネス化
主な組織:大阪大学,神戸大学,京都大学,原子力研究所,NEC,日立製作所,ほか多数
期間:?
参照:http://www.biogrid.jp/
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プロジェクト名:VizGrid プロジェクト
概要:グリッド上に遠隔協調コラボレーション環境を実現することを目的とする.具体的には最先端の可視化・通信技術を適用して遠隔コラボレーション環境を開発し,データ管理や情報管理技術を適用して,協調プロジェクト推進支援環境を開発する.主に医学・医療分野や核融合分野にて,適用・検証を行い,最終的にはプロジェクトの成果を製品化・公開することを目指す.e-サイエンスプログラムの1つ.
特徴:
– マルチストリーミングによるマルチメディアデータ伝送技術
– 遠隔可視化技術や没入型ボリュームレンダリング,ビジュアルデータマイニング技術
– 高臨場感,多間隔コラボレーション,代理人端末を実現するヒューマンインタフェース技術
– データアーカイブ技術
– 情報管理技術
– BioGrid プロジェクトとも連携
主な組織:北陸先端大学,京都大学,広島大学,原子力研究所,富士通
期間:2002年より5年間
参照:http://www.vizgrid.org/
http://www.vizgrid.org/VizGrid2002-final-2.pdf
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■ その他
・e-Japan 重点計画における IT プログラムの一環として,文科省が ITBL,SuperSINETなどのグリッド関連プロジェクトを開始(2001年).これら,グリッド関連の活動を促進するため,文科省はe-サイエンスプログラムも開始.
・ITBL(IT Based Laboratory)
・グリッド協議会(Grid Consortium Japan)
・INSTAC(情報技術標準化研究センター)
・INSTAC,グリッドコンピューティング標準化調査研究委員会
– 委員長 小柳 義夫 (予定)(東京大学)
– http://www.jsa.or.jp/domestic/instac/H14gaiyou.htm#11
グリッドコンピューティングとは,多数のコンピュータ(スーパーコンピュータ,パソコン,サーバ等)をネットワークで繋ぎ,あたかも1台の高性能なスーパーコンピュータが動いているようにする技術をいい,米国などではガン治療薬の開発や宇宙関連の計算に使われている.米国のプロジェクトに日本からの参加のパソコンもあるが,日本でのプロジェクトを立ち上げ,我が国産業のIT化の普及促進を図るためには,標準化によりキャッチアップ体制を整えることが早道である.そのため,接続に当たっての使い易さ,データマネジメント,セキュリティ,運用技術等について標準化調査研究を行う.
平成14年度は,先行中のサイエンス分野や今後期待できるビジネス分野の技術課題,国内外の技術動向等を把握し,運用にあたっての,異機種間ネットワーク,セキュリティ,運転管理等における問題点の抽出等を行い,標準化項目の検討を行う.