The 2008 IEEE World Congress on Computational Intelligence (WCCI 2008)

先日書きましたようにThe 2008 IEEE World Congress on Computational Intelligence (WCCI 2008) に参加してきました.
我々のグループからは3件の発表が予定されておりましたが,2件の発表をおこないました.
多目的遺伝的アルゴリズムに関するものとGAを利用した構造最適化に関連したものです.廣安は座長も2セッション行いました.
IEEEには50こくらいらのScocietyがありますが,WCCIはその中のComputational Intelligence Society (CIS)が主催する国際会議です.
CISのスコープは

Scope
The Field of Interest of the Society shall be the theory, design, application, and development of biologically and linguistically motivated computational paradigms emphasizing neural networks, connectionist systems, genetic algorithms, evolutionary programming, fuzzy systems, and hybrid intelligent systems in which these paradigms are contained.

というもので,WCCIは
– Neural Networks (IJCNN)
– IEEE International Conference on Fuzzy Systems (FUZZ-IEEE)
– IEEE Congress on Evolutionary Computation (CEC)
というジョイントカンファレンスになっています.
ここでの学会発表も重要ですが,このsocietyの世界大会のような様相を呈しています.一年間のとりまとめやこれからのsocietyの運営の議論なども行われているようです.
研究活動をするには,地道に良いと思われる研究を行うだけではだめで,それをはぐくむ環境の構築も重要です.特にわれわれの情報の分野では,プロトコルと呼ばれる仕様やら国際的なフォーラムやらを運営することが非常に重要になってきています.国際的な仕様からはずれたものを開発しても,製品がどんなに良くても意味をなさないし,日本のプレゼンスがないフォーラムでは研究も評価されににくなるからです.
最近は,独立行政法人化の問題やら,私立大学の財政の健全化やら,授業をきっちりやろうということで,大学の仕事もますます内向きになっています.それはそれで必要なのですが,技術の国際化を行うのであれば,国際的な場でプロトコルを策定したり,学会活動を行っていく日本人も必要です.
それらの活動はしっかり支援されているのでしょうか.
残念ながら,私立大学の教員では,なかなかそこまで行う体力・気力・資源がありません.せめて,現在がんばっていらっしゃる先生にますます頑張ってもらい,できるだけお手伝いするばかりです.
文科省も是非とも,がんばっていらっしゃる先生を支援していただきたい.
少なくとも,所属する大学ではその活躍を認めていただいて,授業への対処なり,学生の獲得へのサポートをしてもらいたいです.
そんなことを感じた学会でした.
新しい人にも出会い,有益な情報も得ました.日本の仕事の対応におわれて十分に海外の研究者に接触できなかった面もありますが,今後の課題にしたいと思います.
また,香港は天気は悪かったですが,ごはんがおいしかったですね.
日本のおかしやブランドがもてはやされている感じがしました.