結果を出し続けるために

結果を出し続けるために (ツキ、プレッシャー、ミスを味方にする法則)
結果を出し続けるために (ツキ、プレッシャー、ミスを味方にする法則) 羽生 善治
日本実業出版社 2010-11-26
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棋士、羽生善治さんの図書。
本当に結果を出している人の結果を出すためのノウハウ。
羽生さんがすごいのは、将棋で得た知識を、メタ化して一つ以上 上の次元に上げて話すことができることだ。だから、語っている内容は誰でも当てはまるし、使える。
たとえば、「人は普通に続けられることしか続かない」

第1章は努力を結果に結びつけるためにである。
努力をすることはあたりまでである。その努力を確実に成果に結びつけるためにはどうするのか?
勝負で大切なこと、その1)恐れないこと、2)客観的な視点を持つこと、3)相手の立場を考えることである。
相手と全体を知るためには、コミュニケーションが重要である。
よって、将棋はコミュニケーションツールなんだな。
第2章はツキと運にとらわれずに、最善を選択するである。
ここはすごいよ。
決断プロセスは
直感・読み・大局観 だと断言しているよ。僕たちはただそれに従えばよいのだ。
直感では、いらないところを捨て去って、どこがポイントだかを選択することだと言ってるよ。
大局観では、終わりの局面をイメージするのだそうだ。ゴールのイメージだな。
それから、もうすばらしいスローガンが目白押しだ。
○多くの選択肢は後悔しやすい
○知識を知恵に高めるには自分の頭で考えるしかない
○羅針盤が効かない状況が感性を磨く
第3章は120%の能力を出し切る、プレッシャーとの付き合い方である。
プレッシャーがかかっているときは八合目まできている。すごい言葉だ。プレシャーがいつおこるかを理解し、定義し、対処する。
羽生さんって理系なんだよな。
○集中するためには、刺激を遮断する時間を作る。
○起こった感情には、ワンクッション変換を入れて対処する
○結果は100%受け止めてから次に進む
○結果が表に出ないのは、力を蓄積している状態
○結果よりも大事なのは、自分にとっての価値
第4章は結果を出し続けるにはミスへの対応が鍵になるである。
ミスはいつも、誰にでもあると。だから、結果を出すためにはミスへの対応が必ず必要であると。
そして、それの手順も書いてあるのだよ。
1)まず一呼吸おくこと
2)現在に集中すること
3)優劣の判断を冷静に行うこと
4)能力を発揮する機会だととらえること
5)すべてに完璧さを求めないこと。自分の可能性を広げるチャンスだと、とらえること
そしてもう一つ。「反省はしても後悔はしない」すごい。これはすごいよ。後悔しないように準備できている前提なのだから。
もう一つすごいよ。「不利になってもギャンブルはしない」最後はギャンブルしなきゃ逆転なくてもギャンブルはしない。1回だけよい方法ではだめだと。続けられる方法でなければならないと断言している。
この章の後半は、僕がずっと課題の一つだと思っていた「リスク」の取り方。
覚悟を持ってリスクを取るという言葉から始まって、リスクをどう取り扱わなければならないかを述べる。
まず、意図的にアクセルを踏み、適切なリスクをとれという。それは、保守的な選択が10年後に最もリスクが高いからである。
だけど、リスクはリスクなので、用心しなければならない。そのために
1)リスクは小出しでとる
2)リスクを取ることへの恐怖との付き合い方を考えておく
3)リスクを取ること自体の快感には注意する
4)結果だけではなく、「納得できるか」を重視する
5)時代や環境に合わせてリスクをとる
ことをあげている
第5章は自ら変化を生み出し、流れにのっていくと題したいろいろな徒然だ。
おもしろい。
このように、将棋に限らない人生の戦略にも通ずる言葉が盛りだくさん。
だから羽生さんは強いのだな。