今週の週間ダイヤモンドは特大号で、日本を呑み込むAppleの正体という特集。この特集号、いくつか面白い切り口がある。
そのうち2つを紹介したい。
まずは、ものづくりの切り口で、iPhone5と日本の企業、技術力を言及しているところがおもしろい。広島弁のiPhone5の説明を見てもらいたい。
別に広島弁でなくても良いのだが、カープの話しが出てくるし、私が広島出身なので。
これを見ると、アップルがものづくりにこだわっているのがよくわかるし、自信まんまんだし、何よりもこの製品に対して、「もの」のよさを使うユーザが理解できるのがすばらしい。いくらテレビがインターネットにつながっても、いくらクーラーが携帯につながってもよくその「もの」のすばらしさはわからないのではなかろうか。「さわってみんさい。すごいじゃろ」やっぱ、これでしょう。提供する側が、すごいじゃろと言い、使う側がすごいねという。これは家電の基本だろう。
1997年にSteve Jobsがappleに復帰した際には、MacOSはライセンス供与をばんばんするべきだし、Appleはソフトウエアの会社として生きて行くしかないよねと世界中の誰もが思っていた。だから、ライセンス供与はやめるし、なんだかおかしなiMacは発表するしで、どうするSteveどうなるAppleと思ったものだ。それがどうだ。Appleはハードウエアのメーカーだったのだ。サービスの部門の売り上げが多くても、基盤となるのはしっかりとしたハードウエアがあってこそだ。
これは1998年のiMacの発表以来ぶれていない。そして、こんなにハードウエアにこだわっている会社も珍しい。マイクロソフトはもちろんソフトウエアの会社であるし、googleは安いNexus7を出してくるし、楽天はハードウエアには無頓着だしという状況だ。一方で、iPhoneもiPadもとりあえずハードで利益を出している。そして、このものづくりを支えているのが日本の技術であり、逆にアップルがこけると今後の日本はどうなるのかぐらいのデータを本特集は示している。あまりにアップルへの依存度が大きいのでアップルがこけたり見限られたりしたら、どうなるのだろうということだ。アップルが、絶えず、貪欲に新しい技術・すばらしい技術を探索しているお話も興味深い。こんなところまで話しを聞きにくるんだというようなエピソードを紹介している。アップルに見限られない、提案できる先端技術を絶えず開発していく必要があるということだ。そしてこれが日本のものづくりということなのだろう。今の大学生からはその雰囲気が微塵にも感じられないけれど。
2点目の興味深い切り口は、アップの頂点はいつまでつづくのかということだ。
僕はiPhone5が発表されたとき予約にラッシュする人をみて「死せるSteve 生ける全人類を走らす」と言った。どこまでSteveが用意していたかはわからないが、iPhone5までは想定通りであろう。これからSteveの再興したAppleらしい製品を発表することができるのだろうか。本特集では、「人は形にしてみせて貰うまでは自分は何が欲しいのかわからないのだ」というSteveの言葉を紹介している。Appleのものづくりの革新的なことろは、Steveの病的なまでのデザインへのこだわりからくるデザイン主導での設計と、中国をベースとするグローバルなものの組み立てを高品質で実現することができるようにしたことと、会社のトップもきっと使うだろうなあと思えるユーザーサイドにある少ない商品ラインアップだ。
iPhone5では、Steveだったら許さなかっただろうなレベルのMapが搭載されいている。一方で、Mapこそがこれからのmobileの最重要コンテンツの一つであり、それをgoogleにゆだねるわけにはいかなかったのだという話しもある。いずれにしてもSteveの再興したAppleにほころびが見られていると感じるのは万民の共通の感覚だ。
いつAppleの天下が終わるのか、終わらないのか、多くの人が注視している。
とはいえ、僕はiPhone5は買わない。
iPad miniは買うと思うけど。買わなくても理解できるくらい、iPhoneは優れているし、みんなが持っている。
スマフォはもうすこしandroidをwatchしたい気持ちになるんだなあ。