神隠し 長野慶太

KAMIKAKUSHI 神隠し
KAMIKAKUSHI   神隠し 長野慶太

日本経済新聞出版社 2013-02-21
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献本御礼
第4回 日経小説大賞受賞作品だ。おめでとう。
ひとことで言うと、この小説は筆者の”渾身”の作品。

飛行場で子供が消えたという事件のミステリーのお話だ。
以下、ねたばれ注意。
○ 主人公は外国人。おくさんは日本人。
○ 被害者は日系人
○ これらの関係が、謎をとく鍵
○ 子供の国籍問題
○ 親子の関係
○ 日本とアメリカをいったりきたり
○ 法律的な知識
○ 外国でも通用するような子供の名前
などなどが要素であり、これらが複雑に入り交じってくる。
これらの総合的な知識を持つのは、世界でも”長野慶太”さんだけだと思う。すっごく立ち位置がおもしろい作家になるんだろうなあと予想される。
選者の辻原登さんが

作者は、子供をミッシングしたが、もう一つのミッシングを作中に巧みに滑り込ませている。多分、それに気づいているのは作者と私だけだ。

と書いているんだけど、そのもう一つのミッシングってなんだ?
前にも推薦したんだけど、週刊ダイヤモンドあたりで、日本ではわからないアメリカの事情とかのエッセイもしくは小説を書いてもらいたいんだよな。