将来の目標は?

なんだかすぐに将来の目標は?とかどこに進学するか目標を設定しなければならないとおじさんは聞いちゃうのだが、中高生に将来の目標を求めることは適切でないと思っています。
高校一年生は、大学進学まで3年間。大学卒業まで4年間。これから高度な知識獲得が生涯年収の向上や危機対応能力の向上、幸せにつながるでしょうからそうなると大学院、博士課程でさらに5年間。ようやくスタートにたつのが12年間です。博士課程中にスタートアップするとして約10年間があります。10年前を振り返ってみましょう。クラウドもfacebookもスマフォもないときに2014年に何になるかを考える意味があるでしょうか。どちらかと言えば、10年後には今は作られていない分野を切り開いてもらいたものです。
では、何が大切か。

セレンディピティという単語があります。「何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見する「能力」を指す。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけにひらめきを得、幸運をつかみ取る能力のことである。(wikipedia)」
すべての出会いの可能性を経験しなくてもこの出会いが本物だと思える力です。出会いを見逃さない能力です。私の義父はよく「感激した!」って言いますが、この感激できる力です。多くの人と街中で絶えずすれ違いますが、これだと思う人には通り過ぎないようにする。この力が必要でしょう。池谷裕二さんは著書の中でセレンディピティをつかさどる脳の部位は自転車に乗る運動野に近く鍛えることが可能であると述べています。そのためには、多くの経験を積んでできるだけトライ&エラーを経験する必要があります。
僕の友人は、高校ではやりたいことが見つかったその来るべきに備えて対応できる基礎力を身に着けるべしと言っていました。まさにその通りですね。日本語がきちんとかける。本が読める。計算ができる。考えることができる。人の話を聞き、人に話をすることができる。人に思いやりをかけることができる。そんな能力が必要でしょう。
さらに、適度な運動が必要です。脳を鍛えるのは運動。セレンディピティを鍛えるのも運動が必要でしょう。運動を通じてまなんだ知識をメタ知識化することによりアナロージとして別の問題に適用する。そんなことを目的なく学んでおく必要があります。