Comm 5.0プログラム

同志社大学では、2020年度から「Comm 5.0 AI・データサイエンス副専攻プログラム」を開始しました。

この「Comm 5.0」とは、新たなCommunication(コミュニケーション)とCommunity(コミュニティ)を総称した概念です。AIやデータサイエンスの知識と技術を駆使して、このComm 5.0の世界を構築できる人材――すなわち「Comm 5.0アーキテクト」を育成することが、この副専攻プログラムの目的です。

現代社会では、AI・データサイエンスが日常のあらゆる場面で活用されるようになり、ヒトとヒトとの関係のあいだに「モノ(テクノロジー)」が深く入り込むようになりました。それらは利便性を高める一方で、社会的分断を助長する可能性も孕んでいます。だからこそ、私たちは「ヒト」と「モノ」との新たな共生の在り方を模索する必要があります。そうした時代認識のもとに、このプログラムは設計されました。

Comm 5.0プログラムには、以下の4つの特色があります。

  1. AI・データサイエンスの応用力を育成するプログラム

  2. 「ALL DOSHISHA」による文理横断型の教育プログラム

  3. 社会が必要とするイノベーションを創出するプログラム

  4. 社会との接点を重視する「ミッション研究」型プログラム

ここで学ぶのは、単なる理系的な技術の習得にとどまりません。哲学・倫理・そして「良心」について学ぶことが、むしろこのプログラムの核となっています。「人を知る」ということが、AI時代における本質的な問いとなるからです。

NHKで『知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?』という番組が始まりました。第1回のテーマは「AIは人間を超えるか」。そこでは、AIをつくることの本質とは「人を知る」ことであり、それ自体が哲学的な営みであると語られていました。

思わず、「これ、Commプログラムじゃないか」とつぶやきたくなったほどです。

世間的にはあまり好意的な評価を受けてこなかったかもしれません。しかしこのプログラムは、まさに時代の要請に応える形で生まれたものであり、先見性と意義を持った取り組みであったことは間違いありません。今だからこそ、その価値がよりはっきりと見えてきたと言えるでしょう。