ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 勝間和代

勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践
勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践 勝間 和代

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この本は日本のビジネスマンに理解してもらえるのであろうか.どうしてそんなことを問うのか言えば,ビジネスというとどうも文系っぽい響きがあるのだが,この本はまさに理系指向の本だと感じたからだ.
フレームワーク力が必要ですよとのっけから著者は説明するのだが,これは,クラスとかパターンの話であるな.一般の人ってオブジェクト指向的な考えにすんなりなじめるのでしょうか.
続いて,論理思考力,水平思考力,視覚化力,数字力,言語力,知的体力,偶然力が必要であると説明があるのだが,理系,特に工学系では,論理,視覚化,数学・物理は徹底的にやられなければならない.また,最近では言語力が特に重要視されている.いろいろな面からの検討が必要だという水平思考,知的体力や偶然力っちゅうのは一般的に必ず必要なわけなので,勝間さんが言っている力というのは実は工学系では必須となる力であると言ってもよい.となると,よい工学者はすばらしいビジネス頭を持っているはずだろうな.知識>理解>応用>分析>統合>評価 これの流れなんて,あと仮説とかを入れていけば,研究のスパイラルだ.卒論でまなばなければならないスパイラルの一つである.
私は最適化という分野の研究をしていて,つねづねそれに関連したライフハックの文章が書きたいなあと思っている.論理思考のところでMECEやらピラミッドストラクチャーの話がでてくるのだが,これなんて,どうやって設計変数を選ぶのか,設計変数は直交関係になければならない,if-thenルールやクラスタリングとまったく同じ話である.
統計なんてまさに,われわれの分野だし,ビジネススクールの授業もできるのかもしれんな.筆者の言うようにビジネス思考力を鍛えるためにはこれらのことを行わなければならないんだとしたら,理工学部で勉強するのも悪くない.
すでに我々の分野ではこれらを鍛える訓練をしているはずなのに,直接,ビジネス思考力にはつながっていないような気がするのだが,そこが問題であろうな.