Windows HPC セミナー


同志社大学 寄付教育研究プロジェクト Windows HPCコンソーシアムが主催するセミナーを東京・田町 DELLにて開催した.
 今回は2件の招待講演.
一つはUniversity of TennesseeのJack Dongarra教授.彼の基にはTop3のマシンのうち2台のマシンがある.世界の現状や日本の現状もデータを基に教えてもらった.こんなに情報やシステムの恩恵を受けていて,これからもますます発展するというのに,どうしてそれを将来の仕事としてやろうという若者がこれほど少なく,かつ,日本では極端に社会的なステータスが低いのだろうか.ステータスの低さで言えば,大学内では特に低い.教える側が,低いのだから,これからこの分野で活躍する若者が育たないのは当たり前であろう.Top500のうち,日本のシェアは今や3%.ニュージーランドは2%だそうだ.映画の画像処理のためにスパコンを利用しているのだそうだ.ビジネスにつながっている.
 二つ目は東京大学の加藤千幸先生,加藤先生の講演も非常に刺激的な示唆に富むお話だった.研究紹介例だけでなく,今後の計算シミュレーションがどのようになるのか,なるべきなのか,将来はどのような世界になるのかなど非常に多くのことを学べるお話をいただいた.コアが爆発的に増えて計算シミュレーションでできることが劇的に変わる,相が変わるとも言えるだろう.設計者が並列処理などを意識している状況ではだめで,無意識のうちにばしばし使えるようになってこそ初めて世界が変わるというお話だ.廣安も械学会・関西設計工学研究会を主催していて設計関連のお話が非常にためになった.廣安が行っている最適化、GA、多目的などのキーワードも出てきた.
 今回のセミナーで,HPCがますます裾のでの利用が拡がっていかなければならいし,使える技術も発展しなければならなし,何とかして日本での意識を変える必要があることを再認識した.