破壊的イノベーション 復習

つい4年前まで、大学生は文理を問わずPCを購入していた。それは、3年生が終わりかけのころから就職活動が始まり、エントリやら、企業調査やらでウェブを使わなければならないからであった。
今では、学生はスマホを待ち構えて、まるでアイドルのコンサートのチケットを購入するのに競いあうように企業セミナーのエントリーを行っている。
個人的な体感では急速な勢いでPCの購入率が下がっている。女子のPC利用率も下がっているだろう。PCなんて高校の授業でしか触ったことないよという人も増えているのではなかろうか。

世に売り出されているPCはあきらかにユーザが希望しているよりも高スペックであり、スマホは明らかに破壊的イノベーションである。
話しが脱線するがiPhoneが破壊的イノベーションで売れてしまったために、その後出てきたiPadも破壊的イノベーションとしてとらえられているように感じる。
そしてiPadは何なのだろうか?一般に、タブレットとしてとらえられていて、企業はこぞってAndroidをOSとしてタブレットを発表している。
果たして、iPadはタブレットなのだろうか?果たしてタブレットはPCに対する破壊的イノベーションなのだろうか?
iPadがタブレットだったとして、これまで売りに出されていたWindowsタブレットは何故 うれなかったのだろうか?
「汎用タブレット市場」はそもそも存在するのか?
という問いかけもあるのだが、タブレットがPCの破壊的イノベーションになるのかという点も重要だと思う。
さて、閑和休題。
スマホはPCの破壊的イノベーションでPCにとってかわろうとしている。
日本のスマホメイカーはほとんどがPCプロダクターなので、PCなみの値段と機能でスマホを売ろうとしている。
まだまだ、スマホのCPU性能、消費電力、ネットワーク性能でユーザとの乖離があるから、まだまだ、現在のスマホは当分は需要はあると思う。
でも、それはスマホに6万円もだすことができる先進国の話しである。
80ドルのandroidマシンがケニヤで馬鹿売れという記事
スマホの中でももしかしたら急速な勢いで破壊的イノベーションが進んでいるのかもしれない。
日本のスマホのメーカーは先に述べた理由で、安価なスマホ市場には参入できない。
たぶん、安価なスマホ市場で勝利するのは中国・台湾メーカーであろう。
そこが制圧されたら、今度は高機能市場がターゲットになりこれまで高機能市場にいた企業はうまくいっていたのに退場せねばならなくなる。これが破壊的イノベーションの常である。
OSは同じなんだから、この流れが加速するのも容易だ。
googleはモトローラを購入してどうしようとしているのだろうか?
昨年11月にClayton Christensenのプレゼンを聞いていたら、PCの販売をBrand, Product Design, Supply chian & Logistics, Computer assembly, Mother boards, Simple circuit boardsのレイヤーにわけていた。これをComputer assembly以上のレイヤで優位なポジションを保っていたDellが、外注に頼っているとAsusにほとんどのレイヤをかっさらわれる話しをしていた。仮想レイヤで優位なポジションを持つ企業が一つ上のレイヤでコスト的に優位な提案を行うのは容易なので、そこをとられちゃうとどんどんとられちゃうというお話だ。
おもしろいことに、日本の企業も上位レイヤで主導権をにぎられちゃっているのだが、逆に特殊な部品で本領を発揮しているところもたくさんある。
もうアセンブリで戦うのではなくて、じゃんじゃん高性能でおもろい部品を作って、ちゃんとAndroidにもコミットして制御できるようにするのが吉なのかもしれない。
問題は、地味すぎて、国も人も誰も投資しないことだなあ。