夏ですね。
夏といえば、宇宙を見上げることも多いのではないかと思います。
また、
週末に経済学部 OB・村山昇作氏が、香川に 天体望遠鏡博物館というのを立ち上げたという話を聞きました。
チャッピーにまとめてもらいました。
1. はじめに
同志社大学は創立以来、自由な学問と「良心に基づく教育」を重んじてきた。その精神のもと、同大学では自然科学、とりわけ天文学や宇宙研究に関する教育・研究、学生の課外活動、卒業生の社会貢献など、多彩な取り組みが行われている。本レポートでは、同志社大学の天文・宇宙に関わる活動について、①研究、②学生サークル、③卒業生、④関係機関との連携の観点から総合的に報告する。
2. 同志社大学における天文学・宇宙関連研究
2.1 宇宙生体医工学研究(Space-DREAMプロジェクト)
同志社大学では、2018年より「宇宙生体医工学研究プロジェクト(Space-DREAM)」が発足し、理工学部・生命医科学部・スポーツ健康科学部などが連携し、宇宙空間における人体適応や健康科学に関する研究を推進している。無重力下における筋骨格系の変化、脳機能、代謝といったテーマに取り組み、人類の宇宙進出と地上での健康寿命延伸の双方を見据えた研究が行われている。
2.2 月面探査ロボット「SORA-Q」の開発協力
同志社大学は、JAXAとタカラトミーなどが共同開発した月面探査ロボット「SORA-Q」にも参画した。このロボットは2024年、JAXAの小型月着陸実証機に搭載され、月面撮影に成功。同大学は機構設計や素材研究の面で貢献しており、産学官連携の好例となった。
2.3 柴田一成教授の招へいと宇宙物理学研究
京都大学名誉教授であり、日本を代表する太陽物理学者・柴田一成氏は、同志社大学にて特別客員教授を務めている。太陽フレアや宇宙天気、磁気リコネクションの研究で知られる柴田氏は、宇宙物理学の教育・普及活動にも熱心であり、同志社大学においても学生への講義・講演を通して宇宙科学の魅力を伝えている。
3. 学内天文サークルの活動
同志社大学には、学生主体の天文サークルが複数存在し、長年にわたって活発な活動を展開している。
3.1 天文同好会(D.U.A.L.S.)
1966年に創立された天文同好会(Doshisha University Astronomy Lovers Society)は、キャンパス周辺での定期的な観測活動に加え、夏・冬の流星群観測、合宿、学園祭での展示などを実施している。特に流星群の極大時には合宿形式で本格的な観測を行う。OB・OGも活動に関わっており、2020年には創立50周年記念行事として「新島襄の見た宇宙」展も開催された。
3.2 星の会(Vagabonds of the Star)
1977年に創設された星の会は、初心者歓迎のゆるやかな雰囲気の天文サークル。キャンパスでの観望会や勉強会を定期的に実施しており、郊外への観測旅行や合宿も企画されている。同志社女子大学の学生も参加し、インカレ形式での活動が特色である。
4. 関係機関との連携と歴史的資産
4.1 柴田一成と花山天文台
柴田一成氏は、京都大学附属花山天文台の台長を約15年間務めた経歴を持つ。任期中には宇宙落語会などのユニークなアウトリーチ活動を主催し、大学天文台における科学啓発活動のモデルを築いた。2020年には、ロックバンドQueenのギタリストで天文学者でもあるブライアン・メイ博士を花山天文台に招いたことも話題となった。
4.2 村山昇作と天体望遠鏡博物館
村山昇作氏(同志社大学経済学部卒)は、香川県さぬき市にある天体望遠鏡博物館の創設者・代表理事である。世界中から収集した望遠鏡を修復・保存・展示し、来館者が望遠鏡に触れられる実体験型の博物館を運営している。彼は同志社大学卒業生であり、同志社の自由教育の精神がこの活動の原点にあると語っている。
5. 卒業生の宇宙関連分野での活躍
同志社大学の卒業生には、宇宙関連分野で活躍する人物も多く輩出されている。
氏名 | 学部・経歴 | 活動概要 |
---|---|---|
中ノ瀬翔 | 法学部卒 | GITAI株式会社創業。宇宙作業用ロボットを開発し、NASAとも連携。 |
北川貞大 | 理工学部卒 | Terra Space創業。超小型人工衛星の開発を手掛ける起業家。 |
足立寛和 | 大学院修了 | JAXA研究開発部門所属。月面探査やSORA-Q開発に貢献。 |
村山昇作 | 経済学部卒 | 天体望遠鏡博物館代表理事。望遠鏡の文化的価値を発信。 |
6. 結論
同志社大学は、創立者・新島襄の理念「大学は宇宙原理の講究所なり」を現代に引き継ぎ、理工系にとどまらず文理融合の形で宇宙や天文学に対する幅広い取り組みを展開している。学生サークル、研究プロジェクト、卒業生の活動が互いに呼応し合い、「宇宙」という壮大なテーマに対して、アカデミック・社会実践・文化的貢献の三位一体でアプローチしている点に本学の独自性がある。今後もこの活動は、「地上の良心」と「宇宙の知」とをつなぐ同志社的な知の実践として、発展していくことが期待される。