第49回超並列計算研究会

 年末のしかも仕事納めの12月26日に京都大学にて第49回超並列計算研究会が開催された.今年の冬はそれほど寒くなかった関西地域であったが,この日から急に寒くなり,雪が舞い散る寒い一日であった.仕事納めということ,この寒さの障害で果たしてみなさんに参加していただけるのか非常に心配であった.出足は悪かったものの,13:00過ぎになると50名を越える方に参加していただいた.ありがたい限りである.また,会場と企画に参加していただいた岩下先生を始めとする京大のグループにも本当に感謝したい.
 研究会は,13:00過ぎから開始した.
 最初に京大の岩下先生から,京大に設置された新しいスパコンシステムについて説明があった.スパコンの仕様を決める流れであるとか,現在の計算の需要,これからの課題などわかりやすく説明していただいた.
 次に,これらの計算システムの利用の一例として,京大の小山田耕二先生から大規模非構造格子データの可視化のお話を伺った.可視化を行う際に考えなければならない基礎知識からきちんと説明していただいて本当に研究会の質を高めていただいた.タイルド表示装置を用いた大規模非構造格子データの可視化についても最後に触れていただき,多くの興味深い課題があることが明らかとなった.
そして,今年,京都にもどってきた「はてな」から伊藤 直也さんにきていただき,サービス提供の実際の話を伺った.ハードウエア,アルゴリズム,並列&分散処理と多岐にわたる課題に対応しなければならないことがよくわかった.
 最後は,廣安が同志社大学での計算科学の研究がどのようなものが行われているのかの説明を行った.もう少し自分の話をしたかったが,伊藤さんらの話が盛り上がってしまい,廣安の担当時間でどうしても調整せねばならなくなり,中途半端な説明になってしまった.しょうがない.
研究会を終了後はT2Kのシステムを見学させていただいた.皆,熱心に写真を撮ったり,調査していたりして,非常に有意義であった.
 このように第49回の研究会も無事終了し,次回はいよいよ50回を迎えるのであった.
今までの研究会は三木と廣安の企画・運営で行ってきたが,今年から,IBMの辰岡さんを始めとするメンバーで運営することとなり,非常に運営がスムーズにいくようになった.この場を借りて運営委員のみなさんにも感謝したい.

Automotive Engine Calibration with Experiment-Based Evolutionary Multi-objective Optimization

ヤマハ発動機 梶 洋隆さんから,表記の博士論文のコピーをいただいた.
献本御礼.
多目的最適化の研究は数多くあるが,ほとんどがシミュレーションベースによるもので,実験と連動させている研究は非常に少ない.これから,実験を行っている人でも,パラメータの調整などで最適化,そして多目的最適化を行いたいモチベーションがあると考えられるが,その時に非常に参考になる博士論文である.

進化計算シンポジウム2008

進化計算シンポジウム2008が北海道・登別温泉で12/20(土),21(日)の日程で開催された.これまで日本において,進化計算関連の研究者は非常に多いものの,日本ではあまり統一的に活動されておらず,情報交換も十分には行われてこなかった.この問題を解決するために設立されたのが,進化計算研究会である.この研究会は,学会を越えた活動を行うことを目的として,東工大の小林先生を代表に昨年設立された.この進化計算研究会の大きな活動の一つが,年に1度開催される進化計算シンポジウムであり,昨年,洞爺湖で開催されたのに続いて,第2回目である.
 今年も,基本的には同じ体制で,実行委員長が室蘭工業大学の渡邉先生,プログラム委員長が岡山大学の半田先生で,その他,北海道大学の棟朝先生,廣安と関西大学の花田先生が実行委員であった.
 議論を深めるために,シングルセッションとし,その他,特別講演,口頭発表,ポスター発表,パネルセッションという内容で2日間まるまる使ってのシンポジウムである.なんといっても,ほぼすべての進化計算に関連する研究者が一同に会するのがこのシンポジウムの醍醐味である.特に,少々隔離された場所での開催により,懇親会やその後の打ち上げの席でも議論を尽くすことができるのである.廣安は残念ながら,学務により1日目の参加ができず2日目の参加のみとなってしまった.
 50名以上の参加者があり,成功裏にシンポジウムを終了することができたものと考えている.来年は,名嘉村先生のお世話によって,沖縄で開催される.来年は,フル参加したいものである.最後に,実行委員のみなさん,どたばたしてご迷惑をおかけした幹事のみなさん,参加していただいた参加者のみなさんに感謝したい.

進化計算シンポジウム 2008

進化計算シンポジウム 2008へ参加するために登別に移動中.
昨年 始まった進化計算研究会の主催するシンポジウムの2回目.土曜日と日曜日の2日間開催されている.
このシンポジウム,1年間 企画してきたのに,最後に学務で土曜日に参加できず本当に残念.
しかもいろいろなことが重なり,登別に行くのに温泉もごちそうも堪能できず.
このシンポジウムは日本の関連の研究者が一同に会することを目的としていて,いろいろなディスカッションを行う.
2日目の日曜日は,特別講演,一般講演があったあと,次世代の進化計算の研究を考えるパネルディスカッションを行う.司会を担当しているが,これだけでも楽しみ.
みなさんよろしくお願いします.

プロジェクト特別演習中間発表

生命医科学専攻が今年から始まっているが,その必修科目のプロジェクト特別演習中間発表が行われた.
自立的に,テーマを探し,計画遂行する能力を磨くことをねらった授業.
中には,非常におもしろいテーマがあってよかった.

第72回MPS研究会

明日から2日間 第72回MPS研究会が開催される.
この研究会が持つトランザクション 情報処理学会論文誌 数理モデル化と応用  の副編集長をおおせつかっているので,参加せねばならないのであるが,この時期,大学でもなんやかんやと仕事が多い.
バッティングしまくる.
とりあえず明日 参加させてもらうつもりである.
この研究会,非常にいろいろなトピックスがあって勉強になる.
トランザクションへも投稿可能だ.
是非みなさんも参加してもらいたい.
うちの研究室からは
13:30-14:00
(18)知的照明システムにおける照度と色温度の個別分散制御
芦辺麻衣子,三木光範,廣安知之(同志社大)
14:30-15:00
(20)多目的遺伝的アルゴリズムによるSVM学習データ選択手法
廣安知之,西岡雅史,三木光範,横内久猛(同志社大)
15:00-15:30
(21)多数目的最適化を利用したパラメータチューニング
廣安知之,石田裕幸,三木光範,横内久猛(同志社大)
14:10-14:30
(41)対話的なキーワード抽出によるブログ推薦システム
澁谷翔吾,廣安知之,三木光範,横内久猛(同志社大)
14:30-14:50
(42)多様性を持つユーザの動的グルーピング
牧野浩之,廣安知之,三木光範,横内久猛(同志社大)
16:00-16:20
(46)協調フィルタリングを用いた対話型遺伝的アルゴリズムのための設計変数の抽出
田中美里,廣安知之,三木光範,横内久猛(同志社大)
6件の発表予定.

2008年度同志社大学リエゾンフェア――文系産官学連携始動――

明日は 今年度のリエゾンフェアを開催します.
平成20年度文部科学省「産学官連携戦略展開事業(戦略展開プログラム)」の委託事業として実施する予定で,文系の産学連携のあり方のような中身になっています.
廣安は終日 司会を担当します.
定員100名のところに120名近くの方に応募いただいています.

第31回 日本機械学会 関西設計工学研究会

主催する第31回 日本機械学会 関西設計工学研究会を大阪・同志社大学大阪サテライトオフィスにて開催しました.
単なる発表会ではなく,議論を十分に行える研究ミーティングのようなスタイルでやっています.
最近の話題は,
 設計の手順
 設計を行う際に利用できるツール
 過去の設計事例の再利用
などです.

ディジタル信号処理の基本と応用

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献本御礼
ディジタル信号処理の基礎的な解説があって,その後,プログラムが例示してあるめずらしいテキスト.
しかも,C#.
この本,ソフトウエア実践講座の4シリーズ目なのだが,実践プログラミング,コンパイラ,ゼロからはじめるプログラミングときて,次がディジタル信号処理というおもしろい流れ.
ちなみにMSDN Academic allianceに入っていると,カリキュラム導入キットサンプルが送られてきて,いくつかのコースが入っているのだが,このディジタル信号処理も入っている.
授業に導入しやすくなっているところがすばらしい.