第10回フレームワークレクチャー

2018年1月11日(木)に同志社大学学研都市キャンパスの快風館にて開催されましたけいはんなリサーチコンプレックス事業主催の第10回人材育成フレームワークレクチャーに参加いたしました.本研究室からはM2の和田、M1の中村(圭)が参加し,ポスター発表を行いました.発表題目は以下の通りです.

    • 「運転動画視聴時の快・不快感情と眼球運動の関連の検討」 和田寛,日和悟,廣安知之
    • 「脳機能と脳構造データによる個人の脳アトラスに生成手法」 中村圭佑,日和悟,廣安知之


フレームワークレクチャーは企業や研究者、学生、一般の方が参加し、大学・研究機関の研究者が進める研究内容や研究が目指す未来像について、議論することを目的に開催されています。基調講演では、よりよい病院の環境構築やオフィス環境の効率性向上のための知的照明についてなどの発表があり、環境からの人への影響について様々なディスカッションが行われました。ポスター発表では、2名とも様々な機関の方に見に来ていただき、多くのお話をすることができました。企業の方や地域の事業所の方など、様々な視点からの質問があり、改めて気づかされることがあったと思います。個人的には、初めて学外で発表する内容だったので、少し心配でしたが、多くの方が興味を示してくださり、嬉しかったです。今回得た知識や指摘して頂いた部分を踏まえ、研究室に還元していきたいと思います。




【文責:M2 和田】


学会参加報告書

 
報告者氏名
 
中村圭佑
発表論文タイトル 脳機能と脳構造データによる個人の脳アトラスの生成手法
発表論文英タイトル Generation method of individual brain atlas by brain function and brain structure data
著者 中村圭佑, 日和悟, 廣安知之
主催 けいはんなリサーチコンプレックス
講演会名 平成29年度 第10回人材育成フレームワークレクチャー
会場 同志社大学 学研都市キャンパス 快風館
開催日程 2018/01/11

 
 

  1. 講演会の詳細

2018/01/11に同志社大学 学研都市キャンパス 快風館にて開催されました平成29年度 第10回人材育成フレームワークレクチャーに参加いたしました.人材育成フレームワークレクチャーは,けいはんなリサーチコンプレックスによって主催された講演で,京阪奈地域における地域発の研究開発を推進する事業の一環として,大学・研究機関・関連企業の方が参加して京阪奈地域で行われている研究の目指す未来像などを紹介・議論することを目的に開催されています.
本研究室からは私,M2の和田さんが参加しました.
 

  1. 研究発表
    • 発表概要

私は15時より開催されたセッションの「けいはんな研究シーズ発表会・交流会」に参加いたしました.発表の形式は1時間のポスター発表となっておりました.
以下に発表内容の要約を記載致します.

本研究では,個人の脳アトラスの生成手法を提案する.従来の集団脳アトラスとは異なり,生成される脳領域の数は任意に変更可能であり,また,個人の脳機能と脳構造の特徴を反映した脳アトラスを個人ごとに生成する.

 
 

  • 質疑応答

今回の講演発表では,以下のような質疑を受けました.
 
・質問内容1
Resting-stateでは個人間や日間でデータにばらつきが生じるのではないかという質問をいただきました.この質問に対し,Resting-stateでは確かにばらつきが生じやすく,このため,比較はResting-stateで共通するDMNを中心に行っている,また,現在進行形でタスク時において同様の方法を試している,と回答しました.
 
・質問内容2
脳は個人間で大きく違うものなのかという質問をいただきました.この質問に対し,機能的には活動が異なっている場合が多く,また,構造的には世代間の違いが特に顕著に表れると回答しました.
 

  • 感想

外部での研究発表は2017年のOHBMでの発表に引き続き2回目であり,また,日本語での発表であったので,研究自体の説明は満足のいく形で行う事ができた.ポスター発表時は,脳機能関係以外の分野の方が多く参加していたため,研究の概要やコンセプト,今後の展望を話すことが多かった.これについて,自分の研究の立ち位置とロードマップを再確認することができたことのは良い機会であった.一方で,結果に関して議論することが少なかったため,今後の学会などで結果に関して有意義な議論ができるように研究をより深めていきたいと感じた.
 

  1. 聴講

今回の講演会では,下記の2件の発表を聴講しました.
 

発表タイトル       : 五感を利用したEffective Medical Creation(EMC)の実践
著者                  : 川口正彦
セッション名       :
Abstruct            : なし

この発表は,従来の病院環境は,一般環境とは異なるために患者にとっては大きな心理的ストレスを生じさせる要因となっている,という問題を,様々な方法で五感を刺激することで,病院内におけるストレスの軽減を図る,というアプローチで解決するという研究の発表でした.壁の装飾や疑似窓の配置などで”病院らしさ”を少しずつ無くしていく,ということを主眼においた手法の紹介がされていました.制約の多い環境での五感への刺激によるストレス軽減は,VRやMRの医療分野への応用が期待できる領域だと思います.
 

発表タイトル       :オフィス環境の最適化と照明環境の最適化
著者                  :三木光範
セッション名       :
Abstruct            : なし

この発表では,オフィスの環境を従業員にとって最適化することで,労働生産性の向上を図る,という目的で,主に照明環境の最適化によるアプローチの研究が紹介されていました.人や時間などの様々な要因をもとに照明の色温度や照度を変更する知的照明によって照明環境を最適化するという研究が紹介されていました.また,照明だけでなく,瞑想の導入など,本研究の研究に使い領域に関する内容の話もありました.本発表では,本研究室で行われているカイゼン活動において参考になりそうなトピックが多く含まれており,今後に活動に活かせるのではないか,と思いました.
学会参加報告書

 
報告者氏名
 
和田寛
発表論文タイトル 運転動画視聴時の快・不快感情と眼球運動の関連の検討
発表論文英タイトル Investigation of relationship between pleasant / unpleasant emotion and eye movement during driving video viewing
著者 和田寛, 日和悟, 廣安知之
主催 けいはんなリサーチコンプレックス事業
講演会名 第10回人材育成フレームワークレクチャー
会場 同志社大学 学研都市キャンパス 快風館
開催日程 2018/01/11

 
 

  1. 講演会の詳細

2018/01/11に木津川市にあります,同志社大学 学研都市キャンパス 快風館にて開催されました第10回人材育成フレームワークレクチャーに参加しました.この講演会は,けいはんなリサーチコンプレックス事業によって主催されており,企業や研究者,学生,一般の方が参加して,大学・研究機関の研究者が進める研究内容や,研究が目指す未来像について,議論されることを目的に開催されています.
本研究室からは他にM1の中村圭佑が参加しました.
 

  1. 研究発表
    • 発表概要

私は講演の合間の「けいはんな研究シーズ発表会/交流会」に参加しました.発表の形式はポスター発表で,1時間の発表の質疑応答時間となっていました.
今回の発表では”運転動画視聴時の快・不快感情と眼球運動の関連の検討”という題で発表しました.
運転動画視聴時の快・不快感情と眼球運動を測定し,快・不快時の瞳孔変化を確認し,識別率を算出したという内容で発表を行いました.今回の発表は,以下に抄録を記載致します.

近年,外部環境だけでなく,心拍や体温といったドライバ状態を考慮した運転支援システムが必要とされている.本研究では,ドライバ状態として眼球運動に着目し,運転動画視聴時の快・不快感情と眼球運動の検討を行った.本実験では,無意識・無拘束に眼球運動を計測可能なアイトラッキング装置を用いて眼球運動を計測した.計測されたデータから快・不快時での眼球運動の比較やその運転動画シーンについて調査した.

 

  • 質疑応答

今回の講演発表では,以下のような質疑を受けました.
 
・質問内容1
質問者の氏名を控え損ねてしまいました.こちらの質問は感情反応としての瞳孔変化は1次反応なのか2次反応なのかというものでした.この質問に対して,恐らく2次反応であると回答しました.これからリアルタイムでフィードバックなどを実装する場合は1次反応と2次反応のタイムラグを計測し,その経路について知っておくべきだというアドバイスも頂きました.
 
・質問内容2
関西文化学術研究都市推進機構の樹下さんからの質問でした.こちらは,このシステムを本当に活用する,システムとして販売するには何が問題なのか,どれくらいかかるのかをいうものでした.この質問に対して,より被験者が必要で,様々な年齢の方,様々なシチュエーション,実車での計測,検証が必要であると回答しました.
 
・質問内容3
質問者の氏名を控え損ねてしまいました.こちらの質問は感情状態が瞳孔でわかるという裏付けはあるのかというものでした.この質問に対して,以前の実験で,快・不快画像掲示時脳波と眼球運動の同時計測を行い,その時の脳活動を確認したと回答しました.
 

  • 感想

OHBM後から始めたこの研究を初めて発表できたことが嬉しかったです.発表自体は全く緊張せず,ポスターらしくいろんなディスカッションやお話することができました.企業の方をはじめ,研究者ではない方にも聞いていただくことできました.また,自身の研究だけでなく,これからや所属しているドライバ班の話もでき,興味を持っていただくことができ,うまく話せたのではないかと思います.
 

  1. 聴講

今回の講演会では,下記の2件の発表を聴講しました.
 

発表タイトル       :病院にも快適環境を!五感を利用したEffective Medical Creation(EMC)の実践
著者                  : 川口 昌彦

この発表は病院がより人が健康寿命を伸ばすにはどうすればよいのか,またよりよい病院環境を構築することの重要性についてのお話でした.病院に入院すれば,病気は回復しますが,寝たきりや殺風景な部屋などの影響で,脳や運動器に悪影響を及ぼし,入院前よりも悪くなるという報告がありました.それらに関連する因子について非常にわかりやすく説明がありました.
 

発表タイトル       : オフィス環境の最適化と照明環境の最適化
著者                  : 三木 光範

この発表はオフィス環境の効率性向上のためのウェルビーイングの考え方や知的照明について,また,それらを利用した実験の結果,効果の検証などについてのお話でした.驚いたのが,人は作業や時間,時期によって,好む明るさや色温度が異なるというものでした.さらに,人は色温度で2度体感温度がことなるという実験結果も興味深かったです.木のぬくもりやCO2を計測する必要性などのお話もあり,MISLの223Nもよい方向に向かっていっていると感じました.
 
参考文献

  • 平成29年度第10回人材育成フレームワークレクチャー,http://keihanna-rc.jp/events/event/h29-fwl-10-submit/