【速報】2014年度 人工知能学会 全国大会(第28回)

2014年度 人工知能学会 全国大会が松山 ひめぎんホールで開催されています。
人工知能学会 全国大会

研究室からは下記の学生が発表します。

  • 1D3 「遺伝的アルゴリズムによる学習」
    • 1D3-2 2クラス分類の為の遺伝的プログラミングを用いた特徴量変換手法の提案 白石 駿英(M2)
  • 1F3 「脳の数理モデル」
    • 1F3-5 fNIRSから得られる時系列データ間の相関値を特徴量とする識別の検討 吉田 倫也(M2)
  • 1F4-OS-06a オーガナイズドセッション「OS-6 脳科学とAI」
    • 1F4-OS-06a-2 脳波を用いた肘関節屈曲運動イメージの識別法の検討 大久保 祐希(M2)
    • 1F4-OS-06a-4 色温度環境が注意の持続に及ぼす影響 大西 夏子(M2)
    • 1F5-OS-06b-2 脳血流変化量に対するDeep Learningを用いた被験者の状態分類の基礎的検討 塙 賢哉(M1)
  • 2D1 「遺伝的アルゴリズムによる最適化・AI応用」
    • 2D1-2 専門家が良好と判断する角膜内皮細胞画像生成システム 松浦 秀行(M2)
    • 2D1-3 細胞領域分割のための画像処理GPにおける学習領域決定法の検討 関谷 駿介(M2)

学会参加報告書

 報告者氏名 大西夏子
発表論文タイトル 色温度環境が注意の持続に及ぼす影響-実験前の心理状態の影響の検討-
発表論文英タイトル The effects of color temperature on sustained attention-Considering psychological states before the start of experiment-
著者 大西夏子,田中美里,福島亜梨花,田中美寿穂,若村智子,山本詩子,廣安知之
主催 人工知能学会全国大会
講演会名 2014年度人工知能学会全国大会(第28回)
会場 ひめぎんホール(愛知県県民文化会館)他
開催日程 2014/05/12-2014/05/15

 

 

1. 講演会の詳細

2014/05/12から2014/05/15にかけて,ひめぎんホールにて開催されました2014年度人工知能学会全国大会1) に参加いたしました.この2014年度人工知能学会全国大会は,人工知能学会によって主催された研究会で,人工知能の議論を行い,人工知能に関する研究の進展と知識の普及を図り、もって学術・技術ならびに産業・社会の発展に寄与することを目的に開催されています.

私は12日および15日の会期全てに参加いたしました.本研究室からは他に廣安先生,田中先生,関谷,大久保,吉田,松浦,白石,塙が参加しました.

 

2. 研究発表

2.1. 発表概要

私は12日の午後のオーガナイズドセッション「脳科学とAI (1)」に参加いたしました.発表の形式は口頭発表で,125分の講演時間内に12分の発表時間と3分の質疑応答時間となっておりました.

今回の発表は,色温度環境が注意の持続に及ぼす影響の、実験前の心理状態による違いを検討したものです.発表タイトルは「色温度環境が注意の持続に及ぼす影響-実験前の心理状態の影響の検討-」です.以下に抄録を記載致します.

 

本稿では,実験前の心理状態により色温度が作業時の脳活動に及ぼす影響が異なることを示す.本研究では,心理状態の評価にPOMS(Profile of Mood States)を用い,高低2種類の色温度環境下で実験を行った.脳活動の調査には,近赤外分光法を用いてGO/NOGO Task時の脳血流変化を計測した.結果として,高色温度環境下において,活気のある被験者群で課題中の脳血流の著しい増加が見られた.【Purpose】This study aims to derive appropriate light environments for work efficiency. We investigated the effect of color temperature on sustained attention from the point of view of brain function using functional near-infrared spectroscopy. We focused on psychological state before the start of experiment.【Methods】To investigatebrain activity during sustained attention, subjects performed GO/NOGO task. Thirty-four healthy young men(age, 21.5 ± 0.5 years) participated in this study. They completed the Short form of Profile of Mood States beforeperforming GO/NOGO Task.【Results】The distribution of RT significantly faster than on high color temperature(p<.05). IFG activity was higher in the vigorous subjects during GO/NOGO task.【Conclusions】This studyreveal that the effect of color temperature is different between psychological state. This results suggests that high color temperature is more effective in sustained attention for vigorous subjects.

 

学会参加報告書

 報告者氏名 大久保祐希
発表論文タイトル 脳波を用いた肘関節屈曲運動イメージの識別法の検討
発表論文英タイトル Classification method of elbow flexion motor imagery using Electroencephalogram
著者 大久保祐希, 山本詩子, 廣安知之
主催 一般社団法人 人工知能学会
講演会名 2014年度人工知能学会全国大会(第28回)
会場 ひめぎんホール他
開催日程 2014/05/12 – 2014/05/15

 

 

1. 講演会の詳細

2014/05/12から2014/05/15にかけて,愛媛県松山市のひめぎんホールにて開催されました2014年度人工知能学会全国大会(第28回)1) に参加いたしました.この2014年度人工知能学会全国大会(第28回)は,一般社団法人人工知能学会によって主催された学会で,学生や教員,企業が参加しました.この学会では,SAT,ビッグデータ,Linked Data とオントロジーのような重要なAI テクニカルセッションだけでなく,オノマトペ,コトのデザイン,仕掛学というよう学際的セッションも組織されています.この学際性が,各自のAI 研究を違った角度から眺めてみる機会を与え,そこから新たな交流,新たな研究テーマが生み出され,人工知能研究に大きな広がりをもたせることを目的としています.

私は5月12日から15日に参加いたしました.本研究室からは他に関谷,大西,吉田,松浦,白石,塙が参加しました.また,廣安先生が私達の口頭発表を聴きに来て下さりました.

 

2. 研究発表

2.1. 発表概要

私は5月12日の午後のセッション「脳科学とAI (1)」に参加いたしました.発表の形式は15分の口頭発表でした.

今回の発表は,運動イメージを行ったときの脳波から左右識別を行い,提案手法と既存手法の比較を行いました.以下に抄録を記載致します.

本論文では,EEGを用いて運動に関係する脳波を取得し,左右識別を行う際に使用される特徴量の抽出手法を提案する.提案手法では,左右識別に用いる特徴量をFFTによるオーバーラップ処理を用いて抽出する.20人の被験者に対し抽出した特徴量を用いてSVMで左右識別を行った.既存手法と比較した結果,20人中15人の被験者で既存手法を上回る識別率を得ることができた.

 

2.2. 質疑応答

今回の講演発表では,以下のような質疑を受けました.

 

・質問内容1

和歌山大学の瀧先生が質問を2つして下さりました.まず1つ目の質問は,提案手法における特徴量はどのようにして抽出されるのかというものでした.この質問に対して私は,FFTのある帯域におけるパワースペクトルをすべて積分した値であることを述べました.2つ目の質問は,P300など認知の特異的な脳波が見られることがあるが,例として上げられていた特徴量を抽出する時間が510msであることとどのような関係にあるのかというものでした.この質問に対して私は,P300に見られる現象は刺激が提示されてから300msに見られるものであり,その後運動イメージが行われるため,妥当であると述べました.

 

・質問内容2

質問者の氏名を控え損ねてしまいました.こちらの質問は,識別に用いるチャンネルは4つ使用したということであるが,何の識別率を示したのかというものでした.この質問に対して,測定チャンネルは28個あるため全ての組み合わせの中で最も識別率の高い値をグラフとして示したことを述べました.

 

・質問内容3

質問者の氏名を控え損ねてしまいました.こちらの質問は,周波数帯域を変化させると識別率に影響があるが,それは個人ごとに使用する帯域は違う方がいいのかというものでした.この質問に対して,私は個人毎に使用する周波数帯域を最適化する必要があることを述べました.

 

2.3. 感想

単に「人工知能」といっても様々な分野の研究に応用できることを知ることができました.ウェブマイニングやオントロジーなど普段は聞くことがない技術に触れることができ,また人工知能の第一人者とも言うべき人達の講演を公聴するなど,とても有意義な時間を過ごすことができました.

映画「トランセンデンス」との共同特別企画に参加しました.その映画は人間の頭脳をはるかに上まった人工知能がテーマになっています.そして,は人を超えた人工知能を作るべきかそうでないかについて議論されることとなり,そこでは人工知能の技術だけでなく情報倫理学がポイントとなっていました.このような議論を公聴し,壇上者は遠くの未来を見据えながら研究を行っていることを認識させられました.

 

3. 聴講

今回の講演会では,下記の6件の発表を聴講しました.

 

発表タイトル      : 脳内言語処理から発想を得た人-ロボット指示理解著者                 :相川大輔(九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻)我妻広明(九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻)セッション名      :コミュニケーション理解Abstruct           :我々はAIで人指示理解を行うための文法構造を反映した中心名詞ネットワーク生成を提案してきた.ある名詞を説明する英文に対し正解の選択肢を選ぶ問題において,選択肢から英英辞典で中心名詞を辿るネットワークをつくることができる.その際,問題文の名詞群に対して類義語辞典に基づき相関性のある名詞のみ,分岐形成を可とすると,不正解の選択肢ネットワークは直線傾向,正解の場合は複雑な形状を有することがわかった.

この発表のタイトルには「脳内言語処理」となっているにも関わらず,その定義が曖昧であった.

 

発表タイトル      :車椅子バスケ競技のシュート動作に注目した三次元動作解析・床反力計同時計測データからの脳内身体イメージ可視化のてがかり著者                 :井上恭輔(九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻)セッション名      :脳科学とAI (1)Abstruct           :我々は車椅子バスケ熟練者の身体動作を三次元動作解析,床反力計の同時計測において解析してきた.シュート中の床反力と手・投球軌道の時系列解析は,熟練者が高い再現性で力の溜めと開放を実行していることを示唆する.平均的な競技者はシュート距離が伸びても床反力時系列に大きな変化がなく,熟練者では差異が認められることは,動作イメージを的確に使い分けていることが示唆され,脳内身体イメージの可視化のてがかりとなる.

この発表では,車椅子バスケの熟練者のシュート動作に近づくために着目したことがシュート動作の起点とボールの軌道,ボールを離すタイミングであった.脳内身体イメージの可視化にどう結びつけるのかが不明確であった.

 

発表タイトル      :CFRP複合材料弾性体を用いた筋力支援の提案著者                 :香月佑也(九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻)セッション名      :脳科学とAI (1)Abstruct           :カーボン義足など近年複合素材による筋力支援が期待される.安価な福祉支援具は展望がある一方,使用者の身体や脳による動作制御の特性に適合させる必要があり,電子機器による制御とは違う意味での知的制御が必要となる.本研究では,身体動作中の動作変化・力発生・筋電変位の同時計測により個人の動作特性をプロファイリングし,立ち上がり補助具としての弾性体の応力発生を最適なタイミングで加える適応的支援機器を開発する.

CFRP複合材料弾性体を用いることによって他の素材と比較し,どういうメリットがあるのかが分からなかった.筋電を計測する実験を行っていたため,今後の筋電を計測する実験の参考になった.

 

発表タイトル      :NIRSを利用した文章の肯定・否定に関する脳状態の識別著者                 :谷野広祐(和歌山大学システム工学部情報通信システム学科)セッション名      :脳科学とAI (1)Abstruct           :文書の意味を判別して、その内容を肯定するか、否定するかは、高次の脳活動である。筆者らは、数値や方向記号の識別を脳波解析を利用して実現してきたが、高次の判定では、反応する計測点(電極配置点)が多数となる、そこで、前頭葉の反応についてNIRS計測で、どの程度、判別できるかを評価した。また、複雑な内容の賛否判別は、集団意思決定支援システムへの応用も期待できる。

肯定・否定のイメージがどのようなものであるかが不明確であった.

 

発表タイトル      :EEG-Based Emotion Recognition during Music Listening著者                 :Thammasan Nattapong(大阪大学 情報科学研究科)セッション名      :脳科学とAI (2)Abstruct           :We proposes how to recognize human emotions during music listening by using Electroencephalogram. Fractal Dimension value and SVM are applied. The results are 86-90% accuracy for emotion classification.

音楽を聴いている時の脳波から感情識別を行っていたため,とても興味深い研究発表であった.特徴量抽出にはフラクタル次元解析が使用されていて,かつ,識別率が大体80%以上であったため驚いた.EEGはMISLでも使用しているPolymate,また解析はR言語を使用していたため,親近感が生まれた.

 

発表タイトル      :スパースモデリングとデータ駆動科学著者                 :岡田真人(東京大学新領域創成科学研究科複雑理工学専攻)セッション名      :脳科学とAI (2)Abstruct           :近年,統計学,機械学習,パターン認識,信号処理,通信工学,計測工学といった幅広い分野で,高次元データのスパース性に注目したスパースモデリングの方法論が提案されている.本講演では,生命・脳科学,医工学,地球惑星科学・天文学などの幅広い分野に関して普遍的な,スパースモデリングによるデータ駆動型科学の可能性について議論する.

岡田先生の話し方や間の取り方が巧妙で,発表に聞き入ってしまった.最新の技術として注目されているスパース性について知ることができ,自身の研究に生かしたいと感じた.

 

 

参考文献

1)     2014年度人工知能学会全国大会(第28回),http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2014/

 

学会参加報告書

 報告者氏名 塙賢哉
発表論文タイトル 脳血流変化量に対するDeep Learningを用いた被験者の特徴分類の基礎的検討
発表論文英タイトル Fundamental study of the state classification of subjects with Deep Learning to cerebral blood flow changes
著者 塙賢哉,福島亜梨花,山本詩子,廣安知之
主催 一般社団法人人工知能学会
講演会名 2014年度人工知能全国大会
会場 愛媛県松山市ひめぎんホール
開催日程 2014/05/12-2014/05/15

 

 

1. 講演会の詳細

2014/05/12から2014/05/15にかけて,愛媛県松山市ひめぎんホールにて開催されました人工知能学会全国大会に参加いたしました.この人工知能学会全国大会は,一般社団法人人工知能学会によって主催された学会で,人工知能に関する学際的学問研究の促進をはかり,会員相互間および関連学協会との交流の場を提供することを通じて,この分野の学問と産業の進歩に貢献するとともに,国際的活動を通して世界のこの分野の進歩に貢献することを目的に開催されています.私は全日程参加いたしました.本研究室からは他に廣安先生,田中先生,関谷さん,吉田さん,松浦さん,大久保さん,大西さん,白石が参加しました.

 

2. 研究発表

2.1. 発表概要

私は12日の午後のセッション「脳科学とAI」に参加いたしました.発表の形式は口頭発表で,12分の講演時間と3分の質疑応答時間となっておりました.

今回の発表は,….以下に抄録を記載致します.

[標題] 脳血流変化量に対するDeep Learningを用いた被験者の特徴分類の基礎的検討[背景] 近年,脳機能マッピング装置の一つであるfNIRS(functional Near-Infrared Spectroscopy)装置が注目を集めている.しかし,fNIRS装置の計測では脳活動以外にも心拍や血圧などの影響も受けやすく特定の脳活動が脳血流データに反映しているか検討する必要がある.[目的・方法] 識別器を用いて課題時の脳血流変化量の特徴から被験者を分類することで課題に関係する脳血流を検討する.[結果]ホワイトノイズ環境下における数字記憶課題において脳血流変化量の特徴から男性と女性の被験者を分類することができた.このことは特定の課題時の脳活動が脳血流データに反映していたためであると考えられる. 

 

2.2. 疑応答

今回の講演発表では,以下のような質疑を受けました.

 

・質問内容1

産業技術総合研究所所属の一杉さんからの質問です.こちらの質問は考察からネットワークの中間層は2層で良いのではないかというものでした.この質問に対して,私は検討していなかったのでネットワークの構造をもう一度見直す必要がある感じました.

・質問内容2

質問者の氏名を控え損ねてしまいました.こちらの質問はなぜ実験課題はホワイトノイズの音環境で行っているかというものでした.この質問に対して,ホワイトノイズは男性と女性で感じ方が異なり,数字記憶課題時に男女で成績に差があるという報告があるために使用しましたと解答しました.

 

2.3. 感想

・今回初めて学会に参加してみて人に伝えることはとても難しいと感じました.今回の学会の発表で私は自身の研究に対してもっとこうすればもっと良い結果となる,ここはもっと検討する必要があるなどを質疑応答で議論したいと考えていました.しかし,発表後の質疑では,自分の研究についての簡単な質問や結果の指摘など思っていたこととは違っていました.それは自分の発表で一番伝えたいことをうまく伝えられなかったためと思いました.次回の発表ではより良い質疑応答をするために自分が一番伝えたいことを伝えられるように頑張りたいです.

 

3. 聴講

今回の講演会では,下記の2件の発表を聴講しました.

 

発表タイトル: Deep Collaborative Filtering Deep Learning 技術の推薦システムへの応用著者                  :川上和也,松尾豊セッション名       :OS-24 Deep Learning (1)Abstruct            :Recently, the new machine learning algorithms called Deep Learning has attracted attention. However, they have not been applied to the tasks of Web, such as Recommender System. This is because difficulties in learning sparse data and handling of data which contain missing values. In this study, we propose a recommendation technique that can learn users’ preferences. The key idea of proposed method is to remove the effects of fluctuations in the preferences of each user/item before applying Deep Learning. This paper provides finding that it is necessary to centralize preference data when recommender system tries to learn from data that is sparse and contain missing values.

この発表は,これまで情報推薦のタスクに応用されていなかったDeep Learning技術を情報推薦に適用する手法を提案し,実験による性能を評価するという内容でした.この研究ではDeep Learningのパラメータ等を変化させることが学習器の性能に影響を与えていたので,自分の研究でもより汎化能力の高い学習器を作るために参考にしようと思いました.

 

発表タイトル       :Deep Sparse Autoencoderによる車両運転状態の可視化著者                  :劉海龍,谷口忠大,高野敏明,竹中一仁,坂東誉司,田中雄介セッション名       :OS-24 Deep Learning (1)Abstruct            : With the increase of dimensions in driving behavioral data, the human to intuitively understand the time- series data has become very difficult. We employed a deep sparse autoencoder to extract the three-dimensional representation from raw driving behavioral data with one hundred dimensions. And we proposed a method to visualize driving behavioral on the map by mapping three-dimensional data into the RGB color space. We compared deep sparse autoencoder with other conventional methods such as principal component analysis. As a result, our methods outperformed other conventional methods for visualization of driving behavioral data.

この発表は,DSAEを用いて,運転挙動データに対する低次元特徴量を抽出し,運転状況の可視化を行うという内容でした.実験結果ではDSAEによる手法はPCAなどによる分類の精度よりはるかに高い精度でした.発表内容は聴いていてわからないところもあったが,教師なし学習でもとても良い結果が得られていました.

 

発表タイトル       :Deep Learning利用法と知見の体系化著者                  :黒滝紘生, 松尾豊セッション名       :OS-24 Deep Learning (1)Abstruct            :Deep Learning has achieved significant results in recognicion of images and sounds and in prediction of molecular activities. It is desirable to accumulate knowledge of Deep Learing to apply in various kinds of machine learning problems easily adn effectively. We show that the combination of Pylearn2, a Deep Learning framework, Maxout Network, a learning model with deep architecture, and utilization of machine with Graphics Processing Unit(GPU) is effective to deal with problems with implementing Deep Learning.

この発表は,実際にPylearn2とDeep Learning Tutorialに実装されている深層学習モデルを用いて,機械学習のタスクを実行するという内容でした.GPUを用いることで学習時間が大幅に短縮され,ライブラリを用いるだけでもMNISTという手書き文字識別で高い識別率が得られていたことにとても驚きました.

 

 

発表タイトル       :深層学習による経済指標動向推定著者                  :吉原輝,藤川和樹,関和広,上原邦昭セッション名       :OS-24 Deep Learning (1)Abstruct            :Investors make decisions based on various information sources, including consumer price index, price-earnings ratio, and miscellaneous events reported by news wires. To assist their decisions, many studies have been conducted in the last decades. However, the majority of the efforts was made for utilizing numerical information, partly due to the difficulty to analyze natural language texts and to make sense of their temporal properties. This study sheds light on this problem using deep learning, which has been attracting much attention in the pattern mining and machine learning communities for its ability to automatically extract useful features from a large amount of data. Specifically, this study proposes an approach to market trend prediction based on a deep recurrent network to model temporal effects of past events. The validity of the proposed approach is demonstrated on real-world data for ten Nikkei companies.

この発表は,株価という時系列情報の特性に着目し,深層学習によって新聞記事が株価に与える影響の時間的な変化を捉え,株価動向推定を行うという内容でした.時系列情報を考慮するために再帰的なモデルであるRNN-RBMとRBMを階層的に積み上げて構成されているネットワークでした.発表を聞いて,構造が複雑すぎるとハイパラメータの調整が難しいのでもう少し簡単な構造で予測を行う方が良い結果がでたのではないかと思いました.

 

参考文献

1)    人工知能学会, http://www.ai-gakkai.or.jp

2)    Deep Collaborative Filtering Deep Learning 技術の推薦システムへの応用,

https://kaigi.org/jsai/webprogram/2014/pdf/491.pdf

3)    Deep Sparse Autoencoder による車両運転状態の可視化,

https://kaigi.org/jsai/webprogram/2014/pdf/210.pdf

4)    Deep Learning利用法と知見の体系化,

https://kaigi.org/jsai/webprogram/2014/pdf/766.pdf

5)    深層学習による経済指標動向推定,

https://kaigi.org/jsai/webprogram/2014/pdf/774.pdf

学会参加報告書

報告者氏名 白石駿英
発表論文タイトル 2クラス分類の為の遺伝的プログラミングを用いた特徴量変換手法の提案
発表論文英タイトル A method of multiple feature construction for two symbolic  classification problems using Genetic Programming
著者 白石駿英, 吉田倫也,山本詩子,  廣安知之
主催 一般社団法人  人工知能学会
講演会名 人工知能学会全国大会
会場 ひめぎんホール
開催日程 2014/05/12-2014/05/16

 

 

  1. 講演会の詳細

2012/05/12から2012/05/15にかけて,愛媛県松山市にて開催されました人工知能学会20141)に参加いたしました.この人工知能学会は,一般社団法人人工知能学会によって主催ており,人工知能の実現にむけた,機械学習技術の検討や応用など,様々な発表が行われました.私は全日程に参加いたしました.本研究室からは他に廣安先生,松浦さん,関谷さん,大西さん,吉田さん,大久保さん,塙君が参加しました.

 

  1. 研究発表

2.1.    発表概要

私は12日の午後のセッション「【ID3】-遺伝的アルゴリズムによる学習」に参加いたしました.発表の形式は口頭発表で,15分の講演時間と5分の質疑応答時間となっておりました.

今回の発表は,2クラス分類による識別・汎化能力を高める為の遺伝的プログラミングを用いた特徴量変換法であるGPMFCという手法の改良についての発表でした.GPMFCにおいて,評価関数の問題点を示し,その問題点を解決する評価関数を提案し,既存手法と提案手法の比較を行いました.以下に抄録を記載致します.

私は遺伝的プログラミングを用いて,2クラス分類を行う為の特徴量変換手法を提案する.今回,私はSVMによる分類能力を高める為にGPによって表現される変換式の最適化について考察した.本稿では,変換された特徴量平面を評価する手法として重み関数というものを提案した.この評価関数は理想的な2クラス分布を仮定し,サンプルがあるべき範囲というものを越えると,重みが加算される関数である.結果として,識別率の低いデータに対して,提案手法における識別率は既存手法における識別率よりも高い結果を得た.

 

2.2.    質疑応答

今回の講演発表では,以下のような質疑を受けました.

 

・質問内容1

大阪大学所属の河原先生からの質問です.こちらの質問は特徴量を変換した際後の識別方法としてSVMを用いるのがよくわからないというものでした.この質問に対する私の回答は,2クラス分類で精度が高い手法がSVMであるので使用したと解答しましたが,改めて考えてみると,提案した評価関数との繋がりがよくわからなくなっていて,別の識別手法による検討があっても良かったのかなと思いました。今後検討していきたいと思います。

 

・質問内容2

名古屋大学の吉川先生からの質問です.こちらの質問は線形分類については評価が高くなることは考えられるが,ニューラルネットワークなどの非線形な手法に対する比較結果があるのかという質問でした.この質問に対する回答ですが,今回の検討項目に挙げていました事項でありますので今後検討すると答えました.今後精度比較します.また,後ほどお話しする機会があり,生成した木構造に対しての考察があった方がいいのではというお言葉を頂きました.今後の検討に加えます.

 

2.3.    感想

今回の発表は初めての学会発表であり,かなり緊張しました.途中で早く発表が終わって欲しいという感情を持ちましたが,なんとか持ち直していままでの取り組みを伝えることができたと思います.今後は,この経験を生かして,修士論文につなげていきたいと思います.

 

  1. 聴講

今回の講演会では,下記の4件の発表を聴講しました.

 

発表タイトル  : 遺伝的プログラミングと編集距離を利用した特徴的な VLDC 木パターンの獲得著者          : 中居 翔平,宮原 哲浩,久保山 哲二, 内田 智之, 鈴木 祐介セッション名  : 遺伝的アルゴリズムによる学習Abstruct      : Knowledge discovery from structured data is an important task in machine learning and data mining. We propose a learning method for acquiring characteristic tree patterns with VLDC’s from positive and negative tree structured data by using Genetic Programming and tree edit distance. We report experimental results on applying our method to glycan data.

この発表は遺伝的プログラミングを用いて特徴的な木構造を編集距離を利用して獲得していくという内容でした.この研究では糖鎖の構造を木構造として表現するといった、私が用いているとは異なるアプローチでした.また木構造を評価する際に,GP-AUCといった評価基準をもうけており,ROC曲線をもちいて評価するといった方法が採られていました.私のおこなっている研究についても比較するためにこの評価関数を用いてみたいと思いました.

 

発表タイトル  :同時想起数からみた短期シナプス可塑性を適用したワーキン                       グメモリーモデル著者          : 田仲顕至,五十嵐康彦,岡田真人セッション名  : 脳とAIAbstruct      : In pre-frontal cortex (PFC), electro physiological experiments have established a link between the neuronal activity and working memory that temporary holds information. Previous study propose that the working memory model with short-term synaptic plasticity can reproduce a high activity persistent state and a oscillation activitystate reported by several electro physiological experiments. We study two types of activity comparatively as keeping

multiple items, using working memory model with short-term synaptic plasticity. As a result, working memory

capacity by a high activity persistent state be easily in

uenced with background input, but by a oscillation activity

state be hardly in

uenced with background input.

この発表では,脳のワーキングメモリを神経回路モデルを用いて記憶状態を2種類実装し,その活動状態を比較するという実験を行っていました.結果として振動的な発火状態の方がパラメータを調節した際の記憶容量が変化せず,ロバスト性を持っていることがわかったということが得られていた.私も神経の発火モデルには興味を持っているのでこれを機に,脳の神経系とその働きについて学んでいきたいと思った.

 

発表タイトル  :線形重回帰分析を用いた評価値空間と設計変数空間との非対応領域抽出法に関する検討著者          : 吉田 徹,吉川 大弘セッション名  : 遺伝的アルゴリズムの応用Abstruct            :Recently, a lot of studies on Multi-Objective Genetic Algorithm (MOGA), in which Genetic Algorithm is appliedto Multi-objective Optimization Problems (MOPs), have been reported actively. MOGA has been also appliedto engineering design
elds, then it is important not only to obtain high-performance Pareto solutions but alsoto analyze the obtained Pareto solutions and extract the knowledge in the problem. In order to analyze Paretosolutions obtained by MOGA, it is required to consider both the objective space and the design variable space. Inthis paper, we de
ne“ Non-Correspondence in Linear Relationship ”between theobjective space and the designvariable space. We also try to extract the Non-Correspondence area in Linear Relationship with the index de
ned inthis paper. This paper applies the proposed method to the trajectory designing optimization problem and extracts. Non-Correspondence area in Linear Relationship in the acquired Pareto solutions.

この発表は遺伝的アルゴリズムにおける設計変数空間と評価値空間の対応についての発表でした。良い評価値を得るためにどのように設計変数を用意すればいいのかというような内容で設計変数に対して線形に評価値が変化すればその設計変数は扱いやすいということでした。この発表では特に非線形に評価値と対応する設計変数の中にも,線形に対応する領域があるということでした。しかし、私にはその設計変数をなぜ無理にでも使わなければならないのかわからず,この成果をどのように使っていくのかということがわかりませんでした。

 

発表タイトル  :学習あり繰り返し囚人のジレンマにおける協調行動の発生著者          :鳥居 拓馬,日高 昇平,真隅 暁セッション名  : 強化学習Abstruct            :The iterated prisoner’s dilemma (IPD) has been studied as a minimal model of cooperation. One of the keyquestions is the impact of learning|adaptively choosing actions based on past outcomes|on the dynamics of thegame. Past studies have considered two distinct types of learning, the belief learning based on other opponents’behaviors and the reinforcement learning based on the rewards to its own actions. It has been known that thebelief learners often converge into mutual defection. The potential impacts of the reinforcement learning, however,have not been fully understood yet. This study analyzed the reinforcement learners in the IPD as a
nite Markovprocess, and showed its convergence into mutual cooperation when learning is sufficiently weighted. Our analysisrevealed that this mutual cooperation emerged in a similar manner as in the IPD of the tit-for-tat strategies, whichare known as the best heuristics. We discuss the effects of learning on mutual cooperation.

この発表で着目したのは,協調動作の強化学習の際の利益を最大化する為の戦略をエージェント個人がどのように決定するのかということでした。戦略の学習の際には学習パラメータが存在し、今回は学習率に対してどの戦略がとられていくのかということを調べていました。結果としては学習率が高くなる程、以前の戦略を参考にしたTFT戦略よりも、相手が一度裏切れば、その後は全て裏切るといったようなWSIS戦略が採られるといった結果となっていました。

 

 

参考文献

1)  人工知能学会2014, http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2014/

 

 

学会参加報告書

 報告者氏名 関谷駿介
発表論文タイトル 細胞領域分割のための画像処理GPにおける学習領域決定法の検討
発表論文英タイトル Decision Method of Learning Region in Image-Processing GP for Cell Segmentation
著者 関谷駿介, 布川将来人, 小泉範子, 奥村直毅, 山本詩子, 廣安知之
主催 医療情報システム研究室
講演会名 2014年度人工知能学会全国大会(第28回)
会場 ひめぎんホール(愛媛県県民文化会館)
開催日程 2014/05/12-2014/05/15

 

 

1. 講演会の詳細

2014/05/12から2014/05/15にかけて,愛媛県松山市のひめぎんホールにて開催されました2014年度人工知能学会全国大会(第28回)に参加いたしました.この学会は人工知能学会によって主催された学会で学生や教員,企業の研究者が参加して,人工知能に関する最新成果を議論し,その成果の社会への調和的還元について考えることを目的に開催されています.

私は全日程参加いたしました.本研究室からは他に廣安先生,田中先生,松浦,

 

 

1. 研究発表

1.1. 発表概要

私は13日の午前のセッション「遺伝的アルゴリズムによる最適化・AI応用」に参加いたしました.発表の形式は口頭発表で,15分の講演時間と5分の質疑応答時間となっておりました.

今回の発表は,細胞領域分割の問題に対して遺伝的プログラミングを用いた画像処理フィルタの組み合わせ最低化手法を適用する際,学習領域を決定する手法について発表しました.以下に抄録を記載致します.

In tissue engineering for the corneal endothelium, the quality evaluation of cultured cell is performed by extracting the feature values from cell images. In order to support the evaluation, we previously proposed a feature extraction system that uses learning region and Genetic Programming. In this paper, a decision method of the learning region is proposed by using texture feature values and clustering. The experiment shows that the proposed method improves the performance of the system.

 

1.2. 質疑応答

今回の講演発表では,以下のような質疑を受けました.

 

・質問内容1

名古屋工業大学所属の加藤昇平さんからの質問です.こちらの質問は学習領域の候補は単純に対象画像を区切った領域だけなのか,重複した領域も考慮に入れるべきではないのかというものでした.この質問に対する私の回答は,今回の実験では試験的に対象画像を単純に区切った領域のみを候補としましたが,重複させて細かく領域を取得することも考えている,でした.

 

・質問内容2

名古屋大学所属の吉川大弘さんからの質問です.こちらの質問はGAのテクスチャ特徴量の選択の際,予想されるクラスタ内だけを適合度の考慮に入れるべきではないのかというものでした.この質問に対する私の回答は,その通りで,今回のGAの適合度関数の設定は未学習領域の分割精度を全て評価に入れるため,効率的な探索ができなかった可能性がある,でした.

 

1.3. 感想

今回の発表では,研究(発表)目的にたどり着くまでに多くの研究背景を述べる必要があったため,話の構造が聴講者に伝わりやすいプレゼンを行う必要がありました.また,提案する手法自体も手順が複雑であるため,コンセプトをしっかり伝えることと簡潔な説明が必要でした.そのため,プレゼンの仕方に苦労した学会となりました.発表後の質問内容から察するに,自分の提案が聴講者に理解されていたのかなと感じられたので,ひとまず安心しました.

 

2. 聴講

今回の講演会では,下記の4件の発表を聴講しました.

 

発表タイトル       : 機械学習による海洋観測データの良否分類に向けた初期検討著者                  :松山開,小野智司,福井健一,細田滋毅

セッション名       :グリーンAI ~人工知能による環境貢献~ (1)

Abstruct            : Argo, a global ocean monitoring system for climate change, consists of more than 3,000 floats located in the global oceans and is operated by over 30 countries. Every 10 days, the Argo floats produce temperature and salinity data at a depth from 2,000m to the surface of the sea. However, it was inevitable to observe the ocean without any errors due to substance adhesion, sensor failure and other reasons. The goal of this study is to propose a method for error detection of the observation data by the floats, which has been performed by a human expert. Before designing the error detection method, this paper surveys the cases corrected by the expert and comprehensively understands the property of the observation data so that appropriate machine learning models and features are revealed for error detection.

この発表では,海洋の温度や塩分データを計測することによって気候変動を監視するシステムであるArgoおいて,専門家によって行われる計測センサのエラー検出を機械学習によって行う手法が提案されていました.提案手法では,教師なし学習のニューラルネットワークである自己組織化マップ(Self-Organizing Map :SOM) を用いて計測データのクラスタリングを行うことにより,エラーパターンの全体の俯瞰を試みていました.教師なし学習は,自身の研究において学習領域の取得を行う必要がないので参考にしたい手法だと思いました.

 

発表タイトル       :多目的最適化法による適切なモデル群の探索著者                  :松香敏彦

セッション名       :遺伝的アルゴリズムによる学習

Abstruct            :統計モデルの多くは学説や理論を基に構築され,データとの適合度によって,モデルやその基となった理論の妥当性が検証されてきた.対象となる統計モデルが1つの場合は,統計的に有意な結果が得られた場合に,そのモデルの統計的妥当性が示されたことになる.複数のモデルを比較する際は,AICなどのように単なるデータとの適合度ではなく,モデルの複雑性を加味し,より汎化能力の高いモデルを採択することが一般的である.どちらの方法も,最終的には1つ,もしくはごく少数のモデルを「適切」なモデルとして採択し,その解析結果から変数間の関係や構造を理解・考察することが一般的である.これらの統計モデルによって様々な学説や理論が検証され科学は発展してきた.一方で,逆のアプローチとしてデータを基に複数の適切なモデルを探索し,新たな仮説を生成するアプローチも考えられる.本研究では進化アルゴリズムを基礎とした多目的最適化法を用いてモデルスペースを探索し,複数の適切なモデル群を探索・識別する例を紹介する.

この発表では,多目的最適化手法を適切な統計モデルの探索に応用する例について紹介していました.これまでに私が見聞してきた多目的最適化に関する研究では,設計問題など工学的応用に関するものがほとんどであったのでこのような応用事例も知れてよかったです.

 

 

発表タイトル       : 医療画像における局所特徴量の検知著者                  :中野哲平

セッション名       :インタラクティブセッション

Abstruct            : Medical images are stored every day and ready for being analyzed machine learning algorithms. This work presents real time and simple analysis for feature detection. Non-parametric Nearest-Neighbor (NN) based image classifiers is suitable because it requires no training time, has other favorable properties. This algorithm aims for classifying medical image features in real-time with a number of images. I tested the algorithm using eye fundus images that have two classes: normal and diabetic retinopathy (DR). DR is one of the top causes of blindness.

この発表では,糖尿病患者に見られる網膜症による異常検知を眼底画像の局所特徴量を用いて行う手法を提案していました.局所特徴量としてSIFT特徴量を用いており,K近傍探索によって正常・異常のクラス分類を行っていました.K近傍探索時のKの値の決定の仕方は今後の課題ですが,シンプルなアルゴリズムで分類精度が90%精度というのは,実用面からも考えて有効であると思いました.

 

 

発表タイトル       : Dual Goal Model 看護サービス行為における物理的/精神的ゴールの統一的モデル著者                  :西村悟史,來村徳信,溝口理一郎

セッション名       :医療における知識共有

Abstruct            :Recently, nursing actions from the viewpoint of patient satisfaction have been interpreted as services. However, little is known concerning representation of mental actions for the patient satisfaction and its relationship with physical actions. The authors have proposed CHARM as a goal-oriented representation model mainly for physical actions. This paper proposes Dual Goal Model which can represent the physical actions and the mental actions with their relations in order to achieve the explicit a physical goal and a mental goal such as “a patient is satisfied”. Through the modeling of some actions in nursing/medical documents, the representation ability of the model is demonstrated.

この発表では,看護師の主目的(治療上のゴール)と副目的(患者の精神的なゴール)の双方を達成するためにその行動指針を確立することを目的としています.目的達成のために実行される行為を木構造状に構造化し,その行為が治療上のゴールと精神的なゴールの双方に貢献する場合に統一的に表現します。このような構造的表現を行うことで,どんな行為が双方の目的を達成できるかが容易に理解できるようになり,看護師の研修などに役立つことが期待されています.このような目的達成のための行動を構造化することは,教育される側も理解しやすいと感じました.また,医療サービスだけでなく,様々なサービス業の分野で応用できるため,今後の発展が楽しみです.

参考文献

1)    2014年度人工知能学会全国大会(第28回), http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2014

 

学会参加報告書

 

報告者氏名

 

松浦秀行

発表論文タイトル 専門家が良好と判断する角膜内皮細胞画像生成システム

ー専門家によるシステム評価実験に関する検討ー

発表論文英タイトル System generating better cell images based on the judgement of experts

– Examination about the system evaluation experiment by experts-

著者 松浦秀行,上堀聖史,山本詩子,廣安知之
主催 一般社団法人人工知能学会
講演会名 2014年度人工知能学会全国大会
会場 ひめぎんホール
開催日程 2014/5/12-15

 

 

1. 講演会の詳細

2014/5/12から2014/5/15にかけまして,愛媛県松山市にあるひめぎんホールにて開催されました2014年度人工知能学会全国大会に参加いたしました.本大会は,人工知能学会によって開催された学会で,一般発表セッションをはじめ,オーガナイズドセッション,インタラクティブセッションなど多くのセッションが設けられ,盛んな情報交換や研究交流することを目的としています.

私は5月12日から15日にかけて全ての日程に参加いたしました.本研究室からは私の他に大久保,大西,白石,関谷,塙,吉田が参加しました.また,田中先生と廣安先生が私たちの口頭発表を聴きにきてくださいました.

その講演会が,どういう主旨,研究領域の研究会なのかについて説明

・講演会のWebサイトがあるなら,講演会名の点で参照する

・自分の参加日程と,他の参加者について説明

 

2. 研究発表

2.1. 発表概要

私は13日の午前のセッション「【2D1】遺伝的アルゴリズムによる最適化・AI応用」に参加いたしました.発表の形式は口頭発表で,15分の講演時間と5分の質疑応答なっておりました.

今回の発表は,専門家の角膜内皮細胞診断における,専門家の判断基準の抽出を目的としたシステムを対話型遺伝的アルゴリズムを用いて構築し,評価実験を行った結果についての発表でした.以下に抄録を記載致します.

近年,角膜の病気に対する治療では専門家の目視によって角膜の評価が行われているが,目視による判断は専門家によって精度が異なる問題がある.よって,本研究では細胞診断における客観的評価基準の確立を目的とし,専門家が良好と判断する角膜内皮細胞画像を生成するシステムを対話型遺伝的アルゴリズムを用いて構築した.本稿では,構築したシステムの概要と専門家によるシステム評価実験の結果について述べる.

 

・自分の講演日程,セッション名,発表形式

・今回の発表内容について簡単に説明

2.2. 質疑応答

今回の講演発表では,以下のような質疑を受けました.

・質問内容1

「なぜモデル画像を生成する必要があるのか?」

質問者の名古屋工業大学の加藤先生から質問頂きました.この質問に対しては,「本システムに

おいて提示する画像は多様なパラメータの値を持つ画像が必要であり,実際の画像では用意することが困難であるため,モデル画像を使用しましたと答えました.

・質問内容2

「実験結果において専門家2名の基準が近いと言っていたが,その2名の専門家の基準が近くないグラフもあるのではないか?」

名古屋大学の吉川先生から質問頂きました.この質問には,「一般的には,今回紹介した三つの特徴量を判断基準としていると専門家の方から聞いていますが,特に面積のばらつきに関しては特に重要な指標であることがわかっています.今回の結果では,六角形の割合に関しては研究従事年数が長い二名の専門家の基準が近くなっていることがわかりませんでしたが,面積のばらつきに関しては良好な結果が得られていることがわかります.」と答えました.

2.3. 感想

今回の学会では初めての口頭発表で前日まではとても緊張していましたが,本番では落ち着いて発表を行うことができました.しかし,先生方からの質問に対してはうまく答えることができず,研究の内容はもちろん,もっと最適化についての理解を深めなければいけないなと思いました.また,発表後は鹿児島大学の小野先生からも質問を頂き,自分の研究に対して興味を持っていただいたことを非常にうれしく感じた学会でした.

 

 

 

 

 

 

 

聴講

今回の講演会では,下記の4件の発表を聴講しました.

 

発表タイトル      : デスクワーク時の着座姿勢の評価方法の提案

著者                 :内藤孝雄,黒須誠治

セッション名      :インタラクティブセッション

この発表では,距離センサーと体圧センサーの2種類のセンサーを用いて,椅子に座っている人の姿勢を検知するシステムを提案しています.この発表では作業時の姿勢の改善による業務効率の向上を目的とし,構築したシステムの評価実験の結果について述べていました.カメラから得た情報だけでなく,座布団型のセンサーも用いて姿勢を検出している点は非常に面白いと思いました.また,インタラクティブセッションによる発表だったため,実際にシステムを見て姿勢の評価ができていることが確認できて面白かったと思います.

 

発表タイトル      :RicketyBench:がたつきで人の気配を再現するベンチの開発

著者                 :加藤良治,田中一晶,中西英之

セッション名      :インタラクティブセッション

この発表では,ビデオチャットのようなインタラクションにおいて,対話相手とあたかも対面しているかのような感覚を与えるシステムとして隣に相手が座っている感覚を再現するベンチを開発していました.発表では実際に人に使ってもらいアンケートによる評価を行っていました.発表では実際にベンチを使ってデモも行っており,非常に斬新で面白い内容だと思いました.

・発表タイトル,著者,セッション名,抄録を書く

・そのレビューを書く

 

発表タイトル      :スマートフォンを担いだ「認知症支援犬」による服薬支援の可能性

著者                 :大島千佳,原田千聡,安田清,町島希美絵,中山功一

セッション名      :一般発表セッション

抄録:認知症者の記憶障害を支援する機器として,最近はスマートフォンが活用される.しかし,携帯することを忘れてしまう人や,嫌がる人も多い.そこで,犬にスマートフォンを担がせ,主人のタスク(服薬など)時刻にアラームが鳴ると,主人のもとへ駆けつけるように訓練した.健常者を対象としたケーススタディについて報告する.

この発表では,認知症患者に対してICTデバイスだけでなくICTデバイスを犬に担がせることによりデバイスの紛失を防ぎ,患者に対して癒し効果なども期待する目的でケーススタディを行い,犬にICTデバイスを担がせる有用性を検討していました.実験結果では,通常では煩わしいと思うようなタスクに対しても犬がデバイスを担ぎ服薬時間を教えることによって積極的に行えることができるとなっていました.非常に興味深い内容の発表でした.

 

 

発表タイトル      :RDFを用いた名刺情報の構造化による人脈マネジメントシステムの提案

著者                 :井上林太郎,松下光範,笹嶋宗彦,高岡良行

セッション名      :インタラクティブセッション

 

この発表では,従来の名刺管理システムにおけるデータベースをアドレス帳として利用するのではなく人脈を有効に活用するためのデータベースとして利用することを提案しています.インターフェースの問題や名刺に書かれたメモからタグを作成する方法など構築システムに対するユーザの評価から多くの知見が得られたようで,完成されたシステムをぜひ使ってみたいと感じました.また,人脈ネットワークと呼ばれるものの存在にも非常に興味がわきました.

 

 

参考文献

1)     2014年度人工知能学会全国大会(第28回),http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2014

 

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