日本マインドフルネス学会第三回大会

日本マインドフルネス学会の第3回大会に参加してきました.発表は下記の通りです:
日和 , 廣安知之, 飯塚まり,脳機能情報に基づく瞑想状態解析手法の提案
概要:瞑想初心者が最初に直面する課題は,「呼吸に注意を向ける」と言った身体感覚に関する指示の理解と実践が難しいことである.この課題に対して,脳波計や近赤外光脳機能イメージング装置などの携帯可能かつ安価な非侵襲な脳機能計測装置により脳機能情報を取得し,脳活動状態を実践者にフィードバックすることができれば,瞑想実践の支援が可能である.本研究では,瞑想実践者に対する脳活動状態のフィードバックを目的として,安静時/瞑想時の脳活動状態の定量化に取り組む.このため,脳活動状態を正確に再現できる特徴量,すなわち,脳のどの部位のどのような指標を用いるかを定義しなければならない.そこで本稿では,その第1段階としてfMRIで計測された脳活動データから,自発性振動の活動指標である低周波振動振幅強度(Zou et al., 2008)と,脳部位間の機能的結合度から抽出したグラフ理論特徴量を用いて脳状態を定量化する手法を提案する.さらに提案手法を禅の瞑想である数息観実施時のfMRIデータに適用し,初心者と瞑想経験者の脳活動状態と状態遷移の違いを検討した. 
私は今回初めてこの学会に参加しました.神経科学的な内容から,心理学,臨床応用,武道との関わりなど,幅広い分野からマインドフルネスに関する講演がありました.昨今のマインドフルネスブームも相まって,世間の注目も高まっている学会のように思います.私の発表はanalysisがメインのテーマですので,来場者の方にどれだけ興味を持ってもらえるか心配なところもありましたが,色々な方から良いアドバイスや激励を頂くことができ,参加した甲斐がありました.また,この分野で著名な先生方の講演はやはり大変勉強になりました.是非,来年は当研究室の学生も発表できると良いですね.
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【文責:助教日和】