第5回 関西4私大生命科学シンポジウム


2017年3月7日に関西学院大学西上ヶ原キャンパスの関西学院会館光の間にて第5回四私大合同生命科学シンポジウムが開催されました.本研究室からは廣安 知之先生,日和 悟先生,西澤美結(B4)が参加し,廣安先生が講演,西澤がポスター発表を行いました.発表題目は以下の通りです.


「脳機能情報による瞑想状態の検討」 廣安 知之,日和 悟

「持続的注意に関わる脳機能のfNIRSによる検討」 西澤 美結,日和 悟,廣安 知之


本シンポジウムは,関西の私学4大学(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学)の生命科学系学部・研究科合同で開催されました.関関同立で行われている最前線の研究を紹介し,関西を起点とした日本の生命科学分野の活性化をはかることを目的としたシンポジウムです.4大学の教員による8件の講演,教員と学生による28件のポスター発表が行われました.
私は今回初めてポスター制作を行い,学外の学生や先生に自分の研究を紹介しました.このシンポジウムは他学会とは異なり,様々な分野の研究者が集まっていることから,脳機能イメージング研究に興味を持ってもらえるように工夫して発表を行いました.ポスター発表ではたくさんの方に研究を聞いてもらうことができ,意見を頂くことが出来ました.
また様々な分野の研究のお話を聞くことができ,大変有意義な時間を過ごすことが出来ました.本シンポジウムでの気づきや,頂いた意見を今後の研究に生かしていきたいと思います.

 

【文責:B4 西澤】
学会参加報告書

 
報告者氏名
 
西澤美結
発表論文タイトル 持続的注意に関わる脳機能のfNIRSによる検討
発表論文英タイトル Investigation of brain function related to continuous attention by fNIRS
著者 西澤美結,日和悟,廣安知之
主催 関西学院大学
講演会名 第五回 四私大合同生命科学シンポジウム
会場 関西学院会館 光の間
開催日程 2017/03/07

 
 

  1. 講演会の詳細

2017/03/07に,関西学院大学光の間にて開催されました第5回4私大合同生命科学シンポジウムに参加いたしました.本シンポジウムは,関西の4私大(同志社・関西学院大学・関西大学・立命館)の生命科学系学部・研究科合同で開催されました.関関同立で行われている最前線の研究を紹介し,関西を起点とした日本の生命科学分野の活性化をはかることを目的としたシンポジウムです.4大学の教員による8件の講演,教員と学生による28件のポスター発表が行われました.
 
私はポスター発表を行い,本研究室からは他に廣安先生,日和先生が参加しました.
本シンポジウムは他学会とは異なり,様々な分野の研究者が集まっていることから,脳機能イメージング研究は少なく,興味を持ってもらえたように感じました.
1時間のポスター発表では,たくさんの方に研究を聞いてもらうことができ,意見を頂くことが出来ました.
四私大合同生命科学シンポジウム
http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/d_biosci/four/
 
 

  1. 研究発表
    • 発表概要

私は7日の午後のポスター発表に参加いたしました.時間は約1時間でした.
今回の学会発表では,注意の持続性課題であるPVTを用いて,課題中における注意度合いの違いが変化をもたらす脳部位の推定を行いました.解析手法は,最適化による血流変化モデルの作成とグラフ理論を用いた脳機能ネットワーク解析の2つを用いました.開始直後から,様々な年代の研究者や学生の方に研究を聞いてもらうことができ,また意見をたくさん頂くことができました.

  • 質疑応答

今回の講演発表では,以下のような質疑を受けました.
 
・質問内容1
学生の方からの質問を受けました.こちらの質問は,fNIRS装置がどういったものを測っているのか?というものでした.この質問に対する私の答えは,血流変化を測定していると回答しました.ポスターにあったfNIRSの絵と血流データを使用し,理解していただけたと思います.
 
・質問内容2
来年度医生命システム学科に入学予定の学生から質問を受けました.こちらの質問は,慣れの影響はないのかというものでした.この質問に対する私の答えは,注意しようとして課題を行っている中で,気が逸れたりまたは集中しているという脳状態を計測しているので慣れは考慮していないと回答しました.今後,慣れるまでの最初の何秒間かは検討外にするなどの対策は必要だと感じました.
 
・質問内容3
学生の方から質問を受けました.こちらの質問「生体情報を用いたドライバーの運転特性の解明」と書いてあるが実際はどう応用していくのか?というものでした.この質問に対する私の答えは注意と注意散漫の状態が分かったことで,脳の全体を計測しなくてもその部位だけに注目することで,状態が判別可能になると回答しました.その答えに対して,実際にドライバーはかっているのか?と質問をいただき,今回は持続性課題であるPVTを使って状態を定義し,解析を行ったと回答しました.
 
・質問内容4
質問者の氏名は覚えそこなってしまいましたが,大学の先生にご意見を頂きました.
RTの差異が大きいところで定義した2状態のほかのところは,状態は不明だが何か変化しているところが面白いと意見をいただきました.2状態だけでなく,長時間課題を行い,時系列変化をよりみれるような実験課題を検討するべきだと感じました.
 
 

  • 感想

私は今回初めてポスター作成を行い,学外の学生や先生に自分の研究を紹介しました.今回は脳機能イメージング研究を行っている研究者のポスターや講演が少なく,少し残念だと思っていました.しかし実際参加してみると,多くの方にポスターを見てもらうことができ,意見をもらうことができました.解析方法などに質問は少ない一方,研究目的やこの研究が将来何の役にたつのかなど,基本的な質問が多かったように思います.今後,この経験を生かし,解析や発表などを行っていきたいと思います.

  1. 聴講

今回の講演会では,下記の1件の発表を聴講しました.
 

発表タイトル       :生体情報の数理解析に基づく心身の状態評価に関する研究
著者                  :吉野公三
セッション名       : 講演
Abstruct            : 近年のウェアラブル計測技術の進歩により,人間の生体信号を生活の中で比較的簡便に計測できるようになってきた.しかし,心身の健康評価を行う上で,生体信号の時系列データから意味ある情報を抽出することは重要な研究課題として残されている.本講演では,生体信号の変動パターンを数理的に解析することで,疾患や心理状態を評価する方法の開発に関する取り組みと生理応答のシミュレーションに関する取り組みについて紹介する.

脳機能イメージング研究ではなかったのですが,心身の状態変化をみる研究でとても参考になりました.時系列データから状態を判別する方法は今後注目できる解析方法であると感じました.
 
参考文献

  • 四私大合同生命科学シンポジウム http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/d_biosci/four/