Research Complex 第5回人材育成フレームワークレクチャー

2017年9月14日(木)にかけて同志社大学学研都市キャンパスの快風館にて開催されました,Research Complex事業第5回人材育成フレームワークレクチャーに参加いたしました.本研究室からはM1の相本武瑠と藤井聖香の2名が参加しました.ポスター形式で発表しました.発表題目は以下の通りです.

    • 「安静時・瞑想時における脳状態の個人内ばらつきの検討」
      相本 武瑠,日和 悟,廣安 知之
    • 「瞑想中の前頭部脳活動のfNIRSによる分析」
      藤井 聖香,日和 悟,廣安 知之


フレームワークレクチャーでは,大学や研究機関の研究者が進める研究内容や,研究が目指す未来像について幅広く学ぶ事が出来ます.今回の公演では,大阪大学大学院 医学系研究科准教授の大野 智氏と,京都大学大学院 医学研究科准教授の佐藤 弥氏の公演を拝聴しました.私達のポスター発表では,研究者や企業関係の方が質問に来て下さり,自分の研究を多くの方に聞いていただく事が出来ました.これからも今回得られた指摘や課題を参考にして,より一層研究に取り組んでいきたいと思います.


【文責:M1 相本】

学会参加報告書

 
報告者氏名
 
藤井聖香
発表論文タイトル 瞑想中の前頭部脳活動のfNIRSによる分析
発表論文英タイトル Analysis of frontal brain activity during meditation by fNIRS
著者 藤井聖香, 日和悟, 廣安知之
主催 けいはんなリサーチコンプレックス事業
講演会名 第6回人材育成フレームワークレクチャー
会場 同志社大学 学研都市キャンパス 快風館
開催日程 2017/09/14

 
 

  1. 講演会の詳細

2017/09/14に木津川市にあります,同志社大学 学研都市キャンパス 快風館にて開催されました第6回人材育成フレームワークレクチャーに参加いたしました.この講演会は,けいはんなリサーチコンプレックス事業によって主催されており,企業や研究者,学生,一般の方が参加して,大学・研究機関の研究者が進める研究内容や,研究が目指す未来像について,議論されることを目的に開催されています.
本研究室からは他にM1の相本が参加しました.
 

  1. 研究発表
    • 発表概要

私は講演の合間の「けいはんな研究シーズ発表会/交流会」に参加いたしました.発表の形式はポスター発表で,1時間の発表と質疑応答時間となっておりました.
今回の発表では,“瞑想中の前頭部脳活動のfNIRSによる分析”という題で発表を行いました.
初心者の瞑想時の脳活動を測定し,特徴量の算出,そして熟練者との類似度を算出し,瞑想状態を定量化したという内容で発表を行いました.以下に抄録を記載致します.

近年,Well-beinや作業効率向上のためにマインドフルネス瞑想が注目されている.本研究では,瞑想の実践や評価が困難な初心者に対して,瞑想実践のサポートを行うために瞑想時の脳活動を検討した.本実験では,機能的近赤外分光法(fNIRS)を用いて,簡易に計測が可能な前頭部のみを計測した.計測されたデータから低周波振動振幅(fALFF)を算出し,初心者と 熟練者のfALFFの比較を行った.

 
 
 

  • 質疑応答

今回のポスター発表では,以下のような質疑を受けました.
・質問内容1
同志社大学 脳科学研究科 准教授の眞部さんからの質問でした.こちらの質問は,この部位が活動していたからマインドフルな状態になっているといえるのか?という質問でした.この質問に対する回答ですが,前頭部の瞑想や注意制御に関わる部位が活動してるからといって,マインドフルネス瞑想の効果が得られているかどうかは分からないと回答いたしました.また,チャンネル数が足りないのではないか?という質問もいただきました.こちらの質問に対する回答は,まず私達の研究プロジェクトの話をし,今後は116チャンネルで行っていくと回答いたしました.
 
・質問内容2
廣済堂の小田さんからの質問でした.こちらは,瞑想時間が短いのではないか?というご意見でした. 瞑想の時間が短いため5分では本当に瞑想状態と言えないのではないか?とご意見をいただきました.小田さんも座禅に参加したことがあり,その経験を踏まえた上で25分くらいはあったほうがいいのではないか?とご意見をいただきました.このご意見に対して,初心者を対象としているため,25分だと長過ぎるため5分にしていると回答いたしました.
 

  • 感想

日本語でのポスター発表は,1年ぶりでしたが海外発表を経験していたせいか,発表前は「あまり緊張していませんでした.しかし,実際に人が集まってきて一通り話すと少し焦ってしまい,伝わっているのか不安になっていました.今回は,学会というよりも講演会の合間に発表ということで,どんな方が来るのかあまり予測はつきませんでしたが,NIRSの説明やマインドフルネス瞑想の説明もできて,うまく対応できたと感じました.座禅に詳しい方や,マインドフルネスを企業に取り入れたいと考えている方は熱心に質問をしてくださり,意見もいただきました.よい議論ができたと思います.
 

  1. 聴講

今回の講演会では,下記の2件の発表を聴講しました.

発表タイトル       : 「薬が効く」とは同意言うことか?~根拠に基づく医療(EBM)で考える~
著者                  : 大野 智

かなり臨床に近い話で,普段の自分の研究との関わりというよりも日常で病院に行ったときをイメージさせる内容でした.薬が身体に効くということに対してどんな根拠にもとづいているのか?広告?友人の勧め?医者からの勧め?でも,本当に効いているのか?ということを例えを交えながら話してくださり,とても分かりやすく聞きやすい発表でした.
 
 

発表タイトル       : 感情脳 無意識の感情と幸福の神経メカニズム
著者                  : 佐藤 弥

こちらは初めの講演と違い,佐藤先生の研究室で実際に行った実験やその結果を交えて感情や幸福についてお話してくださいました.こちらの講演は自分たちの研究にもかなり近い話で理解はしやすかったです.無意識と感情の話は,実験内容がおもしろかったのですが,結果としては私の研究室の情動の話とそんなに変わらないので,驚きなどはありませんでした.後半に,主観的幸福のお話があり,これはマインドフルネス瞑想と関連した話や,fALFFの話もあり殆どが知っている内容でした.ただ,感情というのはまだまだ未知な部分が多く,不快と快は同時に存在するのかなど無意識下で起こる感情と意識下で起こる感情は違う感情なのか?など質問もたくさん出た講演でした.
 
参考文献

  • 平成29年度 第6回 人材育成フレームワークレクチャー, http://keihanna-rc.jp/events/event/h29-fwl-6-submit/

学会参加報告書

報告者氏名 相本武瑠
発表論文タイトル 学会参加報告書
発表論文英タイトル Conference Report
著者 相本武瑠,日和悟,廣安知之
主催 医療情報システム研究室
講演会名 第6回人材育成フレームワークレクチャー
会場 同志社大学 学研都市キャンパス 快風館
開催日程 2017/09/14

 
 

  1. 講演会の詳細

2017/09/14,同志社大学学研都市キャンパスの快風館にて開催されました第6回人材育成フレームワークレクチャーに参加いたしました.このフレームワークレクチャーは,大学・研究機関の研究者が進める研究内容や,研究が目指す未来像などを,企業や研究者の方々に理解して頂くことを目的としています.
本研究室からは私と藤井(聖)が参加しました.
 

  1. 研究発表
    • 発表概要

私は14日の15:40~16:40のセッション「けいはんな研究シーズ発表会」に参加いたしました.発表の形式はポスター発表となっており,1時間にわたり,参加者の方と議論を行いました.
今回の発表は,「安静時・瞑想時における脳状態の個人内ばらつきの検討」と題して発表いたしました.以下に抄録を記載致します.

概要: 近年,脳機能ネットワークから得られるグラフ理論特徴量を用いて,脳状態を推定する研究が盛んである.しかし,その多くは被験者毎の特徴量の個人内ばらつきを考慮していない.本研究では,瞑想初心者の瞑想時と安静時の分散を考慮した脳状態を推定するために,同被験者を繰り返し測定し,特徴量の分散値を算出した.結果として,前部帯状回(右)が瞑想状態の定量化に有効である可能性が示唆された.

 

  • 質疑応答

今回の講演発表では,以下のような質疑を受けました.
 
・質問内容1
質問は「被験者をどれくらい測定しているのか.」というものでした.この質問に対して私は、「2名であり,この実験はまだ完了していない.」と回答しました.質問者の氏名は控え損ねてしまいました.
 
・質問内容2
質問は「どのようにして脳領域を分割しているのか.」というものでした.この質問に対して私は、「AALと呼ばれるツールを用いて116領域に分割している.」と回答しました.質問者の氏名は控え損ねてしまいました.
 
・質問内容3
質問は「なぜこの研究をしているのか.」というものでした.この質問に対して私は、「個人内の脳状態のばらつきを考慮した上での,あるタスク中の脳のはたらきを定量化したいため.」と回答しました.質問者の氏名は控え損ねてしまいました.
 

  • 感想

初めての日本語ポスター発表であったが,一度英語版で発表をしていたため,あまり緊張せずにしっかりと対応することが出来た.相手の理解度に合わせて,順を追ってわかりやすく説明出来たと感じた.自身の研究の重要性を理解して貰えたので,とても嬉しかった.
 

  1. 聴講

今回の講演会では,下記の2件の発表を聴講しました.
 

発表タイトル        : 「薬が効く」とはどういうことか?
発表者                : 大野 智
セッション名        : 講演Ⅰ

本発表は,「薬が効く」とはどのような科学的根拠に基づいているのか,という観点から,科学的な情報の信頼性について述べていく発表でした.高い信頼性のある情報の例の一つにメタアナリシスがあり,重要性を感じました.
 

発表タイトル        : 感情脳:無意識の感情と幸福の神経メカニズム
発表者                : 佐藤 弥
セッション名        : 講演Ⅱ

本発表は, 感情と脳のメカニズムに関連する京都大学の研究グループの心理実験とfMRI測定実験を説明していくものであった.マインドフルネスや楔前部についての話もあり,とても興味深かった.
 
参考文献

  • 平成29年度 第6回 人材育成フレームワークレクチャー

, http://keihanna-rc.jp/events/event/h29-fwl-6-submit/