博士論文公聴会

1/17(),わたくし 日和の博士論文公聴会が行われました.
タイトル: 意思決定のための設計空間探査と設計モード解析に関する研究
日時: 平成27117() 15:30 – 17:30
場所: 同志社大学 京田辺校地 医心館 4F 輪講室B
発表者: 日和 悟(博士後期課程3年)
要旨:
工学設計問題は,設計の善し悪しを定量的に評価するための評価指標と,これに影響を与える調整可能な設計変数を用いて,定式化できる.特に,実世界の設計問題には満たすべき要求が数多く存在するほか,設計変数の数も膨大であるため,このような高次元空間の中で良い設計を発見することは容易ではない.工学設計とは,複数の性能要求を満たす設計変数の組み合わせを探索し,自らが望む設計を選択していく,設計空間探査と意思決定のプロセスである.
本研究では,設計空間探査の課題は,設計変数が高次元であるため,探索すべき空間が膨大であり良好な設計を発見することが困難であること,また,性能要求を同時にすべて満足できないため,トレードオフを考慮して多様な設計候補群を求める必要があることである.意思決定の課題は,設計空間探査で得られた設計候補の数が膨大になった場合に,それらの特徴を1つ1つ吟味・比較して候補を絞り込むことの難しさである.本研究では,これら2つの主要課題に対して,多様かつ優れた解を高速に得るための設計空間探査技術と,高次元かつ膨大な設計候補群から主要な設計パターンを抽出し,その特徴を定量的に分析するための技術として「設計モード解析」を提案・開発し,その有効性を示した.
所感:
私は2007年に工学研究科の博士前期課程を卒業し,電機メーカーに就職しました.
その後2012年,再び同志社大学の門をくぐり,生命医科学研究科博士後期課程に入学しました.
卒業してから5年のブランクがあり,しかも働きながらということで,指導教授の廣安教授はじめ,関係者の皆様,また,所属会社の職場の同僚の皆様にも,多大なるご迷惑をおかけしながらなんとかここまでくることができました.
公聴会には学内関係者だけでなく,会社関係者の方にもご参加頂くことができ,
さまざまな視点からのご指摘を頂き,活発な議論を行うことができました.
皆様のおかげで,最後の発表を満足できる内容で締めくくることができました.
また,忙しい中,当日準備を手伝ってくれた研究室の学生の皆さんにも感謝しています.
企業のエンジニアとして仕事をしていると,個別の技術の新しさ,素晴らしさだけでなく
「それを使うことでビジネスとしてどんな価値が得られるのか」
「従来技術の使いこなしの方が実績があるので新しいものに変えるべきではない」
などの要求が時として優先され,技術そのものの面白さに拘って追求できないことがあります.
その点,大学での研究は自由度が高く,個人の興味もうまく織り込みながら
研究を進めることができたと思います.エンジニアとして,大変幸せなことです.
大学で得た技術や考え方は,きっとこの先も私のエンジニアリング活動に大いに
活用できると信じています.
最後に,ここまで私をご支援くださった皆様に心より御礼申し上げます.
ありがとうございました.
【文責:D 日和】
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