【速報】ドライバインザループ第8回シンポジウム

ドライバインザループ第8回シンポジウムが同志社大学京田辺キャンパスにて開催されました。

学会参加報告書

 
報告者氏名
 
吉岡昂馬
発表論文タイトル 自動車運転時の心電計測によるドライバの緊張状態検出
発表論文英タイトル
著者 吉岡昂馬,日和悟,廣安知之,
主催 同志社大学,モビリティ研究センター,
技術・企業・交際競争力研究センター
講演会名 ドライバインザループ第8回シンポジウム
会場 MK101/102
開催日程 2018/03/14

 
 

  1. 講演会の詳細

2018/03/14に同志社大学京田辺キャンパス MK101/102にて開催されましたドライバインザループ第8回シンポジウム(http://mrc.doshisha.ac.jp/files/news_180220.html)に参加いたしました.近年,高齢者を想定したドライバとなるヒト,走行中のクルマおよびその周辺環境をリアルタイムにセンシングし,より安全・安心で,環境にもやさしく,快適に移動できる手段が求められています.そのような背景から,これまでの自動運転に関する研究とは異なる,ヒトとクルマの共存および周辺車両と環境との協調を行う進化適応型自動車運転システム「ドライバ・イン・ザ・ループ」の研究が進められています.
本シンポジウムでは,各研究グループからそれぞれ成果発表が行うとともに,ポスターセッションによる発表も行われました.また,招待講演はヤマハ発動機 先進技術研究知的システムグループの平松裕二さんによる「オフロードでの自律走行技術」,ATR 知能ロボティクス研究所環境知能研究室の内海章さんによる「交通事故低減のための人とくるまのコミュニケーション」というタイトルで講演いただきました.
私は,M1の中村さん,藤原さんとともにポスターセッションにて発表しました.
 
 

  1. 研究発表
    • 発表概要

私は15:10~16:00のポスターセッションに参加いたしました.発表の形式はポスター発表で,50分間の発表となっておりました.
今回の発表は,自動車運転時の心電計測によるドライバの緊張状態検出について発表しました.以下に抄録を記載致します.

近年,ドライバ起因の事故削減を目的として,予防安全技術の開発が進んでいる.予防安全技術には,外界情報を認知し車両を制御する運転支援システムや,生体情報を取得することでドライバの心理状態を推定する技術がある.本研究では,ドライビングシミュレータと心電計測を用いて,ドライバの心拍変動から運転時の緊張状態の検出を行った.

 

  • 質疑応答

今回の講演発表では,以下のような質疑を受けました.
 
・質問内容1
同志社大学脳神経行動学研究室の小林耕太准教授から質問をいただきました.こちらの質問は,LF/HF,SDNN,RMSSDの正式名称は何かというものでした.この質問に対する回答ですが,LF/HFはLow Frequency/High Frequency,SDNNはStandard deviation of all NN interval,RMSSDはThe square root of the mean of the sum of the square of differences between adjacent NN intervalであることを補足資料を用いて算出方法とともに回答しました.
 
・質問内容2
同じく,小林耕太准教授から質問をいただきました.こちらの質問は,走行コースはどのようなものかというものでした.この質問に対する回答ですが,高速道路がメインで,注意地点が存在することを資料を用いて回答しました.
 
・質問内容3
同じく,小林耕太准教授から質問をいただきました.こちらの質問は,30秒の窓はどのように決めたのかというものでした.この質問に対する回答ですが,LF/HF算出時のLFを求める際の周波数分解能的に30秒程度のデータ数が必要であると回答しました.
 
・質問内容4
 質問者の氏名を控えそこねてしまいました.こちらの質問は,実際に被験者が緊張したと感じた瞬間とLF/HFに反応がでるまでのラグはどのくらいかというものでした.この質問に対する回答ですが,本実験では被験者が緊張した瞬間を定量的に評価できていないため,求められていないと回答しました.
 
・質問内容5
 質問者の氏名を控えそこねてしまいました.こちらの質問は,心電計測はどのように行っているのかというものでした.この質問に対する回答ですが,生体アンプと電極を用いて,電極を胸に貼り付けて心電を取得していると回答しました.
 

  • 感想
    はじめての学会参加で,はじめてのポスター発表だったため緊張はしていましたが喋り始めると自分の言いたいことを言えたと思います.また,質問を通して自分自身でわかっていないところや考えが及んでいなかったところなどがあると感じたため,より知識を深めていきたいという意欲が高まりました.
  1. 聴講

今回の講演会では,下記の発表を聴講しました.
 

発表タイトル       : 交通事故低減のための人とくるまのコミュニケーション
著者                  : 内海 章
セッション名       : 招待講演
Abstract     : 従来の安全運転システムは運転者本人に対する情報提供が中心である.従来手法の問題点として,処理すべき情報の多さからなる運転者の大きな負担や,情報提供の効果が運転者に依存していることがある.これに対する提案アプローチとして,周囲の運転者・歩行者との運転者状態の共有をすることで相互理解の支援によって交通事故の低減を図った.

 
この発表は運転者の状態を検知し,周囲に共有をするものだった.私が行っている研究は,運転者の状態を運転者本人にフィードバックを行うことを目的としているため新たな発見となった.特に,ドライバの視線を車両のDRLに反映させる試みは斬新でインパクトが大きかった.
 
参考文献
進化適応型自動車運転支援システム「ドライバ・イン・ザ・ループ」研究拠点形成 平成29年度成果報告会(第8回シンポジウム)
http://mrc.doshisha.ac.jp/files/news_180220.html
 
学会参加報告書

報告者氏名 藤原侑亮
発表論文タイトル マインドフル・ドライビング:
運転時におけるマインドワンダリング時の脳状態の検討
発表論文英タイトル Mindful driving:
Examination of brain functional state of mind wandering in driving
著者 藤原侑亮, 日和悟,廣安知之
主催 同志社大学,モビリティ研究センター,
技術・企業・交際競争力研究センター
講演会名 進化適応型自動車運転支援システム
「ドライバ・イン・ザ・ループ」研究拠点形成
平成29年度 成果報告会(第8回シンポジウム)
http://mrc.doshisha.ac.jp/files/news_180220.html
会場 夢告館 MK101,MK102
開催日程 2018/03/13

 
 

  1. 講演会の詳細

2018/03/13に,夢告館MK101,MK102にて開催されました進化適応型自動車運転支援システム「ドライバ・イン・ザ・ループ」研究拠点形成 平成29年度 成果報告会(第8回シンポジウム)に参加いたしました.この成果報告会は,同志社大学,モビリティ研究センター,技術・企業・交際競争力研究センターによって主催された報告会で,人と車の共存および周辺車両や環境との協調を行う進化適応型自動車運転システムについての議論を行い,ヒトの動作の予測や周辺環境に適応した車両の運転支援技術を確立することを目的に開催されています.
私は13日のポスター発表に参加いたしました.本研究室からは他に廣安先生,日和先生,M1中村清志郎,B4吉岡が参加しました.
 

  1. 研究発表
    • 発表概要

私は13日の15:20~16:00に参加いたしました.発表の形式はポスター発表で,40分の発表時間となっておりました.
今回の発表は,マインドフル・ドライビング:運転時におけるマインドワンダリング時の脳状態の検討という題目で行いました.以下に抄録を記載致します.

抄録中身
私たちは,日常生活における50%の間マインドワンダリング状態にあると言われている.マインドフルな状態で運転するためには,注意を向けるべき対象に意図的に,能動的な注意を向けた状態である必要がある.そのためには,マインドワンダリングを知覚することが重要である.そこで本実験では,脳活動を用いて運転時のマインドワンダリングの検討を行った.

 

  • 質疑応答

今回の講演発表では,以下のような質疑を受けました.
・質問内容1
Tanev先生の研究室の学生から質問を受けました.質問の内容は,なぜこのタスク時間にしたのか,脳血流変化は刺激に対して反応がでるのかというものでした.この質問に対して,このタスク時間にした理由としてはfNIRSの装着による被験者の疲労を考慮して8分にしたと回答しました.また,刺激に対して反応についてですが,反応が出ると回答しました。しかし、運転時はどこが刺激になっているか不明な点から今回のような解析を行ったとも回答しました。
 
・質問内容2
ヤマハ発動機の平松さんから質問を受けました.質問の内容は,この研究は実装できる段階なのかというものでした.この質問に対して,マインドフルな状態での検討が行えていないことに加え,脳活動を用いたワンダリング時の評価もまだ十分に検討できていないことから,実装にはまだ時間がかかるとお答えしました.
 
・質問内容3
質問者の氏名を控え損ねてしまいました.マインドフル・ドライビングという言葉を聞いたことがないが新しい概念かという質問を受けました.この質問に対しては,マインドフルネスの概念と運転の概念を合わせたもので新しい概念であると回答しました。
 

  • 感想

二回目のドライバインザループでの発表でした.前回より質問に対してスムーズに適切に回答できた点は良かったと思いました.しかし,より興味を持ってもらうためには,より結果を追求し発表の仕方も求めていく必要があると感じました.また,講演会を通して,fNIRSを用いて運転時の状態推定の実験をしている綱島先生に有意義なお話しを聞けた点が今回の大きな収穫でした。
 
 
 
 

  1. 聴講

今回の講演会では,下記の2件の発表を聴講しました.

発表タイトル       : オフロードでの自立走行技術の紹介
著者                  : 平松 裕二
セッション名       : 招待講演
Abstract : ヤマハ発動機では,屋外で人の代わりに測量や監視などを行う無人ビークルを開発してきた.無人ビークルはGPSによる位置情報とレーザセンサによる周辺情報にもとづいて適切なルートを選択して走行する.本研究では,多様な傾斜や凸凹を多く含む,より整地されていない環境における走路判別方法を提案する. LRF情報から局所近似平面を用いた福栖の特徴量を抽出し,局所領域の走行可能性の判定を行う.

 
この発表は,オフロードを自律走行するための自律走行プラットフォームと自律化技術についての発表でした.用いている技術として,地形を判断するためにDeep Learningを活用し,Lidarデータ処理によりコストマップを作成するものが挙げられます.私が最も興味を持った部分は,自動運転の技術が非常に高いレベルで実証実験に移っており,複雑な環境下でも対応できる点です.検討事項が複数あるプロジェクトだと思ったが,様々な課題を解決するために一つずつ実証している所は自身の研究でも見習うべき点だと思いました.
 

発表タイトル       : 交通事故低減のための人とくるまのコミュニケーション
著者                  : 内海 章
セッション名       : 招待講演
Abstract   :これまでの運転支援システムのほとんどは,周囲情報や運転手の状態を運転者本人に提示して危険防止を図るものであり,その効果は運転手本人の能力・認知状態に依存していました.本研究では,検出された運転手の状態を周囲の運転手,歩行者とも共有することで,早期の危険予測を可能とし事故回避につなげることを目指しています.

 
この発表は,運転状態を見える化するために運転手の認知状態検出技術についてとその情報をどのように車車間で共有するかというものでした.私が最も興味を持った部分は,運転手の状態を検出するために様々な指標を複合的に用いている点です.注意の対象がどこに向いているのかについても説明がありましたが、自分の研究においても、どこに注意が向いているのかを検出する方法について検討する必要があると感じました。
参考文献

  • 進化適応型自動車運転支援システム「ドライバ・イン・ザ・ループ」研究拠点形成 平成29年度 成果報告会(第8回シンポジウム), http://mrc.doshisha.ac.jp/files/news_180220.html

学会参加報告書

 
報告者氏名
 
中村清志郎
発表論文タイトル 自動車運転時の脳活動と眼球運動の計測と解析
発表論文英タイトル Measurement and analysis of brain activity and eye movements during driving
著者 中村清志郎,日和悟,廣安知之,
主催 同志社大学モビリティ研究センター
講演会名 進化適応型自動車運転支援システム「ドライバ・イン・ザ・ループ」研究拠点形成第8回シンポジウム
会場 同志社大学 京田辺校地 夢告館 MK102
開催日程 2018/03/13

 
 

  1. 講演会の詳細

2017/03/28に同志社大学京田辺校地 夢告館 MK102にて開催されましたドライバインザループ第8回シンポジウム(http://mrc.doshisha.ac.jp/files/news_180220.html)に参加いたしました.近年,高齢者を想定したドライバとなるヒト,走行中のクルマおよびその周辺環境をリアルタイムにセンシングし,より安全・安心で,環境にもやさしく,快適に移動できる手段が求められています.そのような背景から,これまでの自動運転に関する研究とは異なる,ヒトとクルマの共存および周辺車両と環境との協調を行う進化適応型自動車運転システム「ドライバ・イン・ザ・ループ」の研究が進められています.
 
本研究室からは私以外に廣安先生,日和先生,M1の藤原さん,M0の吉岡さんが参加し,ポスター発表を行いました.
 

  1. 研究発表
    • 発表概要

私は15:10~16:00のポスターセッションに参加いたしました.発表の形式はポスター発表で,50分の発表となっておりました.
今回の発表は,自動車運転動画視聴時の脳活動と眼球運動の関係性について発表しました.以下に抄録を記載致します.

近年,運転支援システムの開発が進められている.システムの信頼性向上のため,自動車周囲の情報だけでなく,ドライバの生体情報を利用した運転支援システムが注目されている.本研究では被験者に対してドライビング動画を提示し,その際の脳活動と眼球運動の計測を行った.そのデータより,自動車運転時の眼球運動から脳状態の推定を試みた.
  • 質疑応答

今回の講演発表では,以下のような質疑を受けました.
 
・質問内容1
質問者の氏名を控え損ねてしまいました.こちらの質問はFixationとSaccadeの閾値はどの程度なのかというものでした.この質問に対する回答ですが,Tobiiに用いられているI-VTフィルタを用いており,20 [ms]の窓で,30度/s以上で移動したときをSaccadeとしていると回答しました.Micro Saccadeに関しての研究もおこなわれているのでそれを参考にする必要もあると助言もいただきました.
 
・質問内容2
質問者の氏名を控え損ねてしまいました.こちらの質問は動画を見た時の脳活動の特徴が分かって,結果として何ができるようになるのかというものでした.この質問に対する私の回答は現段階では眼球運動の状態が異なっていても脳は視覚処理を行っており,注意状態が異なっていることがわかり,眼球運動の差から脳活動が異なることから,より研究を深めると運転支援システムに応用できると回答しました.
 
・質問内容3
質問者の氏名を控え損ねてしまいました.こちらの質問はどのような動画を被験者に提示したのかというものでした.この質問に対する回答ですが本実験で用いた運転動画をお見せしました.
 
・質問内容4
質問者の氏名を控え損ねてしまいました.こちらの質問はどのようにして脳活動を計測しているのかというものでした.この質問に対する回答ですが,NIRSと呼ばれる近赤外光を用いて脳血流量を計測していると回答しました.
 

  • 感想
    本学会に参加するにあたって,改めて自分の研究がどのように役立っていくのかを考えさせられました.他の研究室ではどのような研究が進められているのかを知ることで,刺激を受けることができました.また,今回は脳機能ネットワークに関しての研究結果を押し出してしまったため,興味を持っていただけることが少なく,質問も少なめだったと思います.したがって,今後は対象とする相手を考えてポスターを作成したいと考えています.
  1. 聴講

今回の講演会では,下記の発表を聴講しました.
 

発表タイトル       : オフロードでの自律走行技術の紹介
著者                  : 平松裕二
セッション名       : 招待講演
Abstract     : 近年,無人陸上車両(unmanned ground vehicle: UGV)に関する研究が数多くなされている.その中で,ヤマハ発動機は未舗装路における自律走行の研究を行っている.一般的な舗装路では白線や前走車の動き等を検出し,直進,カーブ走行が可能であるが,未舗装路ではいずれも存在しないことがほとんどである.したがって,位置推定,走路判別,走行判断等の技術を用いて自律走行を実現した.その実験の一部を発表する.

 
この発表ではオフロードにおける自律走行の研究について詳しく聞くことができました.特に通常考えられない道路へはみ出してくる枝や道路上の倒木など,舗装路では到底想定することもなさそうなシチュエーションに対する対応方法も考えねばならないので,より難しいものになっていると感じました.また,未舗装路の応用ということで,北海道などの雪上路での自律走行の研究もされているということで,非常に興味がわきました.
 
 
参考文献
進化適応型自動車運転支援システム「ドライバ・イン・ザ・ループ」研究拠点形成第8回シンポジウム
(http://mrc.doshisha.ac.jp/files/news_180220.html)